平均的な月経の終了年齢は？

閉経のご質問をお寄せいただきました。ご相談者の年齢を考えますと、一般には身体的な変化を迎える頃ですので、ご自身の関心ごとなのでしょうね。日本人女性の平均的な閉経年齢はおよそ50歳ですが、閉経を迎える時期は個人差が大きくなってきており、40代前半で閉経を迎える女性がいる一方で、50代後半で閉経を迎える女性もいらっしゃいます。

女性は通常、40歳を過ぎた頃から徐々に卵巣の機能が低下していき、やがて卵巣に卵胞（卵）がなくなります。日本産科婦人科学会のHPでは、閉経を「卵巣の活動性が次第に消失し、ついに月経が永久に停止した状態をいいます。月経がこない状態が12カ月以上つづいたときに、１年前をふり返って閉経としています」と説明しています。

女性の生殖能力は多くを卵巣の働きが担っています。卵巣は12～13歳頃から本格的に働き初め、20～30代が最も成熟している時期、そして50歳前後でその機能は消失します。女性の生殖能力のある期間は一生のうちのおよそ30年間、妊娠・出産のみならず育児も含め、生殖に適している期間と考えると、ヒトとしての寿命が延びても生殖能力の期間は変わらないと考えられます。

閉経に至るプロセスは、１人ひとり異なります。順調だった月経が、ある日突然なくなる人、徐々に月経の間隔が長くなり、量も少なくなっていく人、逆に月経周期が短くなる人など、閉経までの経過は千差万別ですが、やがて完全に月経がなくなるときが訪れます。閉経したかどうかはすぐには判断できないので、後に「あのときが最後の月経だった」とふり返って確認することになります。

閉経は卵巣機能の消失なので排卵がなくなり、卵巣がつくり出す女性ホルモンの分泌もなくなります。閉経を挟んで前後５年の10年間は「更年期」と呼ばれ、卵巣機能が徐々に衰えて閉経していく状態にからだが適応するまでの期間です。

なお、閉経前はエストロゲンという女性ホルモンの一種が、血管や骨など女性のからだを守っていますが、閉経後はこうした女性ホルモンの恩恵がなくなります。そのため、閉経前から食事や運動などの生活習慣を整えて、骨粗しょう症や生活習慣病などの予防を積極的に図ることがすすめられます。