狭心症ですが、たばこをやめられません
心筋梗塞で1カ月前に入院し、また手術を受けなければならないのですが、どうしても たばこをやめることができません。 吸わないと、イライラして、心拍が上がってきます。どうしたらよいでしょうか? 狭心症です。
女性/40代
2022/01/28
狭心症があり、手術を予定していて、禁煙しなければならないものの、どうしてもやめることができないとのこと。たばこに含まれるニコチンには依存性があるため、禁煙は容易ではなく、ご相談者のような方は多くいます。禁煙について考えてみましょう。
禁煙をしてニコチンを断つと、イライラや頭痛などの辛い離脱症状があらわれるため、耐えきれずに喫煙を再開してしまうことはよくあることです。これはニコチンの依存によるもので、ご自身の意志とは関係がありません。
ニコチン依存は、血中のニコチン濃度が一定以下になると不快感を覚えて、喫煙をくり返す状態で、からだと心の両方の依存をもつ「ニコチン依存症」という病気として扱われます。現在、一定の基準を満たすニコチン依存症は、禁煙外来などを設けている医療機関で保険診療による治療を受けることができます。
たばこを吸うとニコチンが脳のニコチン受容体に結合して、ドパミンという快感を生じさせる物質が大量に放出されます。それによって「落ち着く」「ホッとする」など、喫煙による快感を味わうことができます。しかし、30分もすると体内のニコチンがなくなり、イライラする、落ち着かないなどの離脱症状が表れます。
離脱症状を解消するために喫煙をくり返すことにより、ニコチン依存症が形成されます。
現在、日本で入手可能な禁煙補助剤(内服薬、ニコチンパッチ、ニコチンガム)を用いると、自力で禁煙するよりもずっと楽に禁煙が可能になります。禁煙外来を受診して医師の指導の下、禁煙補助剤を用いて治療を受ける方法と、薬局・薬店で市販されている禁煙補助薬を用いる方法があります。
一定の条件を満たしていれば、医療機関で保険診療での治療が受けられます。禁煙外来のある医療機関へお問い合わせのうえ受診されるとよいでしょう。一方、薬局で市販されている禁煙補助薬は、少量ずつニコチンを摂取することで離脱症状を抑え、無理なく禁煙習慣を身につけられます。薬剤師と相談しながら活用しましょう。
禁煙を決意したら、以下の点を確認しましょう。
・禁煙日を決めたら、1週間程度心の準備をしてからスタートする
・喫煙習慣を見直し、なぜ吸うのかをふり返る(それだけで喫煙本数が減ることもある)
・禁煙開始の前日には、たばこ、灰皿、ライターなどを処分して再度意志を確認する
・吸いたくなったときの対策を予め決めておく
例:冷たい水を飲む、ガムを噛む、軽い運動をする、深呼吸をする、歯磨きをするなど
禁煙を継続する秘訣は、1回目は失敗しても、2回、3回と挑戦することです。何回かの失敗を経て成功する方も多くいます。過去に禁煙治療を受けながら、再度喫煙を開始した方も、1年経過すれば再度保険診療で治療を受けられます。あきらめず、根気よく挑戦していきましょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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