Question

治まらない脱毛~脂漏性皮膚炎の対処法

頭皮の悩みです。1年前からふけが出始め、皮膚科を受診して脂漏性皮膚炎だろうと言われ、ステロイドと飲み薬を処方してもらっています。ふけは治まりましたが、脱毛が始まり、治まる気配がありません。このままでは髪がなくなってしまうのではと不安で泣きたくなります。ずっとステロイドを使い続けていても大丈夫ですか? 日増しに脱け毛の量が増えています。

女性/30代

2022/01/28

Answer

頭皮のお悩みです。1年前ふけの症状から始まり、皮膚科で脂漏性皮膚炎の診断を受け、治療でこの症状は軽快したものの、脱毛が続いて不安だとのこと。治療は続けているものの、ステロイドを使い続けていることも気になっているのですね。女性であればなおさら心配なこととお察しします。今回は脂漏性皮膚炎の治療についてご説明します。


脱毛は、1日に100本程度までの生理的な範囲のものと、それ以上に髪が抜けたり、ある部分だけ毛が生えない病的なものとに大きく分けられます。髪は皮膚の一部。頭皮のトラブルがあると、健康な髪が作られず、脱毛が生じる場合もあります。


脂漏性皮膚炎の原因ははっきりとわかっていませんが、頭皮や皮膚に常在している微生物(常在菌)の一種であるマラセチアという真菌(カビ)が症状を引き起こすのではないかといわれています。多くは皮脂の分泌が盛んな部分~髪の生え際、耳の後ろ、外耳道、眉、鼻筋や鼻の周囲、胸、わきの下、背中の上部などに生じます。


脂漏性皮膚炎を起こしやすいのは、生後3カ月前後の乳児と40~60歳の成人です。乳児の場合は短期間で自然に軽快するため、入浴による皮膚のケアに加え、炎症やかゆみにはステロイド軟膏を使用する場合があります。

一方、成人の場合、男性に多く、しばしば血縁の家族に同時にみられ、寒さや乾燥によって症状が悪化します。心身のストレスなどでも悪化することもあります。


頭皮に生じた脂漏性皮膚炎は、フケ、赤み、かゆみをくり返します。これらは、適切な治療と洗髪などの日常的な頭皮ケアで症状を和らげます。一般的には症状が長引くことが多く、慢性的なものになるため、医師による治療を受け、日々のケアを行う必要があります。


ふけやかゆみなどの炎症が強いときは、炎症を抑えるステロイド軟膏、そのほかの軟膏、内服薬を組み合わせて使用し、症状が軽快したら状態に合わせた軟膏を使用するなど、医師と相談しながら適切な薬を処方してもらい、症状をコントロールする必要があります。


日常的のケアとしては、成人で頭皮の症状がある場合は薬用シャンプー(ジンクピリチオン、硫化セレン、サリチル酸や硫黄、タールを含む)を通常、毎日または1日おきに使用します。炎症が軽快したら使用を週に2回にするなど、症状に合わせケアを行いましょう。また、乾燥する時期は加湿し(湿度50~60%前後)、頭皮や皮膚の乾燥を避け、バランスのよい食事を心がけましょう。


ご相談者様の脂漏性皮膚炎も、恐らくよい状態と悪い状態をくり返されているのではないでしょうか。処方薬と日常のケアを組み合わせて根気よく対処を続けることが大切です。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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