Tdapワクチンとは
Tdapワクチンについて教えてください。
女性/40代
2022/01/28
Tdapワクチンとは、破傷風(T)、ジフテリア(d)、非細胞性百日咳ワクチン(ap)の3種混合ワクチンのことです。
現在、日本で接種が行われている、百日咳・ジフテリア・破傷風・ポリオを予防するDPT-IPV(四種混合)ワクチンは小児を対象とした定期接種ですが、Tdapワクチンは思春期以降の免疫維持・強化を目的とした任意接種と位置付けられています。
アメリカなどで接種が行われていますが、日本ではまだ認可されていません。そのため、一部の医療機関で、輸入したTdapワクチンの接種が行われているようです。
日本では百日咳・ジフテリア・破傷風を予防するDPT(三種混合)ワクチンが任意接種で認可されています。DPTワクチンはもともと小児の定期接種で用いられていましたが、2014年にDPT-IPV(四種混合)ワクチンが定期接種に切り替わったため一旦製造販売中止となっていました。その後、2018年1月に販売再開となり、現在では任意接種として認可されています。
DPTまたはDPT-IPVワクチンを接種しても、百日咳の免疫効果は4~12年で低下し、感染する可能性がでてきます。日本では百日咳に対する定期予防接種は乳幼児期にしかないため、近年、年長児や成人の患者数が増える傾向にあります。成人の感染では軽症ですむことも多い疾患ですが、新生児や低月齢児に感染すると重症化することがあります。ですから、成人から新生児や低月齢児への感染を予防することがとても大切なのです。
そのため欧米諸国では乳幼児期に日本でいうDPTワクチンを4回定期接種した後、4~6歳と11~18歳でTdapを2回追加し、少なくとも計6回定期接種しています。
日本では、日本小児科学会が就学前にDPTワクチンの追加接種を推奨しています(任意接種)。また、厚生労働省でDPTワクチンの追加接種を定期接種として導入する検討がされています。
なお、現時点で日本ではTdapワクチンは認可されていないため、自己責任で輸入ワクチンを接種し、その結果、副反応による健康被害が生じたとしても、国が定める医薬品副作用被害者救済制度を利用できない可能性が高いことを知っておいてください。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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