Question

更年期が不安

最近、更年期の症状ではないかと思われる不調があらわれ始めました。しばらく、このような状態が続くかと思うと、今から不安でたまりません。

女性/40代

2021/12/21

Answer

「更年期」という言葉に対しては、「つらい」「苦しい」など、ネガティブなイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。程度の違いはあれ、「できれば避けて通りたい苦しい期間」と考えてしまうのが普通だと思います。更年期とは、女性の閉経の前後の10年間、45~55歳くらいまでの、女性なら誰もが通らねばならない時期を指すといわれています。そんな人生の転換期に、どう向き合っていけばいいのか、考えていきましょう。


女性の一生をライフサイクルの視点で考えると、更年期も一つの通過点にほかなりません。そして、更年期のあとには「老年期」が待ち構えています。今や女性の寿命は80歳を優に超えていますから、まだまだ残りの人生は長いということになります。英語では、更年期の婉曲的な表現として「the change of life」という言葉が使われています。まさに転換期ということです。それならば、更年期を、豊かな老年期を迎えるための準備期間として考えてはいかがでしょうか。たとえば、今までの生活習慣やライフスタイルを振り返り、これからどう過ごしたいかを考える、自分のからだをもっと大切にするために何ができるか見つめ直すなど、その後の人生を心身ともに健康に過ごすための、チャンスが与えられたと捉えてみるのです。そうすることで、あなたらしい老年期のあり方が見えてくるかもしれません。


ライフサイクルの一時期であるなら、更年期には必ず終わりがあるのです。「苦しいけれど、長くは続かない」と考えると、少し気持ちが軽くなりませんか。そして、更年期という言葉を、「自分を更新して、いい歳を重ねる時期」と、前向きに読み解いてみてはいかがでしょうか。


更年期に敏感になり過ぎることにも注意しましょう。これまで経験したことのない心身の不調に対して、「もしかして更年期?」と、すべて更年期のせいだと捉えていませんか。これでは、更年期のイメージがどんどん悪くなり、さらに落ち込んでしまいます。更年期にさしかかったからといって、必ずしもつらい症状が起こるとも限りませんし、不調の原因は他にあるのかもしれません。このような考え方の悪循環に気がついたら、他の疾患や原因も疑い、冷静に判断することも必要です。


もちろん、つらい症状を我慢することはありません。不眠や落ち込み、倦怠感や急な発汗などで、生活に支障を来たすようになったら、専門外来の受診も選択肢の一つです。専門医と話すことで、症状を正しく受け止められるようになれば、安心にもつながると思います。


一方で、自分を取り巻く環境が大きく変化するのも、この時期の特徴です。子育てを終えた人には喜びと喪失感が、仕事をしている人にはベテランとしての何らかの転機が、人によっては親の老いや介護などが訪れます。こうしたライフイベントによる変化と心身の不調との折り合いを、どうつけていくかも更年期の大事な課題です。そして、その課題を乗り越えた先に、自信にあふれた新しい自分が待っていることを願いつつ、更年期に向き合ってみましょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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