絨毛膜下血腫とは、妊娠中、お母さんと赤ちゃんの間で酸素や栄養、代謝物質を受け渡し、赤ちゃんの生命を維持するための働きをする、胎盤の組織の1つである「絨毛膜」の下に母体の血液が溜まってしまい、血のかたまりができた状態です。妊娠前半期の健診時や、性器出血が見られた際の超音波検査で見つかることが多く、妊娠初期にみられる出血として比較的頻度の多いものといわれています。

血腫ができる原因はまだ明らかにはなっておらず、血腫が大きくなったり、感染を併発することにより、流産や早産の原因となってしまうことがあります。

無症状の血腫の多くは１～３カ月で自然に消失し、妊娠中期にはよくなっていることが多いといわれています。症状が軽度または無症状の場合は、自宅での安静と外来受診で経過をみます。血腫が大きい、腹痛がある、出血量が多い場合には入院による安静となり、子宮収縮を抑える薬を使うなど、ハイリスク妊娠として慎重にフォローされます。

絨毛膜下血腫ができてしまった場合、安静が必要な期間は、血腫がなくなるまでです。どのくらいの期間で血腫がなくなるかは個人差がありますので、正確な期間がわからないのが現状です。

安静の程度は、出血の状態や血腫の大きさ、ご自身の症状によっても変わってきます。どの程度の活動なら大丈夫かについては、医師に確認するのがよいでしょう。とはいえ、安静の指示が出ているのであれば原則として外出はせず、極力、横になっているほうがよいでしょう。買い物、料理や洗濯、掃除といった家事はできる限りご家族にお願いすることが望ましいです。

家事などで動いても良いと許可がある場合であっても、長時間立つことや重いものを持つことは体に負担がかかってしまいます。重労働や下腹部に力が入るような動作はしないよう注意しましょう。安静のために寝ている場合でも、ずっと同じ姿勢でいることは血行が悪くなるため、よくありません。医師の許可がある範囲内で、ご自身がリラックスできることを行い、ゆったりとした体勢でいることが大切です。

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