亜急性硬化性全脳炎

あきゅうせいこうかせいぜんのうえん

最終編集日:2023/5/26

概要

麻疹(はしか)にかかったことがある人が発症する脳炎です。感染後、麻疹ウイルスが脳に潜伏し、長い年月をかけてゆっくりと進行します。麻疹の感染から5~10年後に発症するのが特徴です。

発症率は、麻疹に罹患した人の数万人に1人とされていますが、確定診断後から数年で神経症状が悪化し、植物状態を経て死に至ります。厚生労働省による指定難病のひとつで、医療費助成の対象となり医療費の支給があります。

原因

麻疹ウイルスが脳内に潜伏し、変異したことで発症すると考えられています。5~10年など、長期間かけて脳内で持続感染することが特徴です。発症年齢は平均10歳で、1歳未満の乳児のときに麻疹にかかった場合に発症するケースが多く確認されています。ただし、発病のはっきりしたメカニズムはまだ解明されていません。

症状

初期症状として、学校の成績低下、記憶力低下などの知的障害、とっぴな行動をとる、情緒不安定といった性格変化に始まり、歩行がふらつく、物を落とす、からだががくんとなるなどの運動性の障害が現れます。

しだいに、四肢が周期的にビクッと動くミオクローヌスがみられるようになるほか、知的障害、歩行障害などの運動障害も進行していきます。さらに症状が進むと、歩行不能となり、食事の摂取もできない状態がつづき、体温の不規則な上昇、発汗異常など自律神経の乱れがみられます。最終的には意識が消失し、全身の筋肉がこわばって、自らからだを動かすこともできなくなります。

検査・診断

血清や髄液による検査を行い、麻疹抗体価の上昇値を調べて、亜急性硬化性全脳炎にかかっているかどうかを判断します。上昇していた場合、確定診断できます。このほか、脳波検査を行うこともあります。

治療

現在のところ、確実に治療できる方法はありません。進行を抑制するための治療として、ウイルスの増殖阻害作用をもつ薬剤のインターフェロンや、抗ウイルス作用と免疫賦活作用をあわせもつイノシンプラノベクスなどを服用します。

対症療法として、理学療法や排便のコントロール、気管切開、酸素投与、人工呼吸器管理などをすることもあります。

セルフケア

予防

現在では、麻疹のワクチン接種が厚生労働省の積極的勧奨接種に指定されているので、ほとんどの人が接種を受けています。麻疹のワクチンは、1歳になったら1回、小学校入学前の1年間に1回の2回、接種することすることができます。

監修

東馬込しば整形外科 院長

柴 伸昌

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