蟯虫症
ぎょうちゅうしょう

最終編集日:2023/3/27

概要

蟯虫という寄生虫に寄生されることで起こる感染症です。蟯虫は人の大腸や直腸に生息していて、雌が夜間に肛門から出て、肛門周辺に卵を生みつけます。戦後は国民病といわれるほど陽性率が高く、小学校での検査が義務づけられていましたが、衛生環境の改善でほとんどみられなくなったため、2015年度かぎりで全員検査は廃止されました。しかし、蟯虫そのものがいなくなったわけではないので、当てはまる症状があるときは、医療機関を受診することが大切です。

原因

野菜などについた蟯虫の卵が口から入ることで感染します。卵は腸管で孵化(ふか)し、その後、雌が卵を生み始めます。産卵後は肛門付近にかゆみが出るので、手で肛門をかくことで卵が指や寝具につき、家族にも感染します。また寝具や床に散らばった卵が空中に舞って、ほこりなどと一緒に吸い込むことでも感染します。

症状

感染後、1~2カ月して肛門の周囲に猛烈なかゆみが起こります。蟯虫は子どもに多くみられ、寝るときにお尻がかゆいと言った場合などは、肛門や排泄された便をよく確認しましょう。肛門付近に白い虫が見つかることや、排便時に便の中に虫がまぎれていることもあります。また、無症状のこともあります。

検査・診断

朝起きてすぐに、肛門周囲に生みつけられた卵を見つける検査を行います。粘着性のテープを肛門にしっかりと貼りつけて卵を採取し、それを顕微鏡で確認することで蟯虫の有無がわかります。朝起きてすぐに行わないと肛門から卵が落ちてしまうので、起床時にすぐに行うことが大切です。

治療

駆虫薬を内服します。1回でも高い効果がありますが、間隔を空けて2回飲んだほうが効果的です。子どもが感染している場合は家族が感染している可能性が高いため、できれば家族全員で検査を受け、感染がある場合には治療を受けるとよいでしょう。

寝具や下着は頻繁に交換し、熱湯消毒します。また肛門に手や指を近づけない、爪を短く切るなどの対策も必要です。手に蟯虫の卵が付着していると、さまざまなものに卵をつけることになります。ワクチンはありません。

セルフケア

予防

蟯虫は再感染が多いので、日頃からの予防が大切です。食事の前はよく手を洗い、食材はよく洗って十分に加熱して食べましょう。また、蟯虫の卵は日光に弱いため、布団を干し、寝具や寝巻きはこまめに替えて洗濯し、日のあたる場所に干しましょう。

子どもにはお尻を直接手で触らないように教え、指しゃぶりや爪かみの習慣をやめるよう促しましょう。起床時に入浴し、肛門付近をよく洗う習慣をつけるのもよいでしょう。

また、近年の健康志向によって有機栽培の野菜を摂取して蟯虫症になることもあります。有機栽培の野菜も、食べる前に十分に水洗いをしましょう。

監修

鳥居内科クリニック 院長

鳥居明

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