陥入爪
かんにゅうそう

最終編集日:2023/3/23

概要

爪の左右の縁(ふち)が皮膚に食い込むことで腫れや痛みを伴う病気です。おもに足の親指に起こります。爪の縁が内側に巻いてくる「巻き爪」とは異なりますが、巻き爪に陥入爪を併発することもあります。

原因

おもに不適切な爪の切り方が原因になります。サイズの小さい靴は、症状を悪化させます。

症状

爪が食い込んだ部分の皮膚が赤くなり、腫れてきて痛みを伴います。傷口から細菌が入り込んで化膿すると「爪囲炎(爪周囲炎)」になり、うみがたまってズキズキとした痛みがつづきます。また、炎症が長引くと傷の周囲の皮膚が盛り上がって肉芽をつくることもあります。

検査・診断

爪の様子をみて診断をします。陥入爪は腫れや痛みをともなう一方、爪の縁が内側に巻いてくる巻き爪は痛みを伴わないため、区別されます。

治療

軽症~中等症の場合は、食い込んだ爪と皮膚の間に、小さく丸めたコットンを挟み込む「コットンパッキング」が行われます。連続して行うことで、伸びた爪の形を変え、徐々に食い込まないようにしていきます。

保険適用がなく自費になりますが、ワイヤーやプレートを用いて食い込んでいる爪の形を矯正する方法もあります。同じく自費になりますが、皮膚と爪の間に細いチューブを差し込んで爪が皮膚に食い込むのを防ぐガター法も効果が見込めます。


上記の治療で改善されず、再発をくり返すケースや、症状が強く、食い込みも深い重症のケースでは、皮膚に刺さった爪を必要最小限にくさび形に切り落とし、爪が皮膚に刺さらないようにすることが有用です。高齢者の重症例では、爪母細胞(爪をつくりだす細胞)の一部をフェノールで腐食させ、爪の幅を狭くする治療もあります。ただし爪がいびつに変形することがあるので、若年者にはすすめにくい治療です。

腫れや痛みを伴い、炎症が強い場合は、抗菌薬の軟膏や内服薬を用いることもあります。


セルフケア

予防

陥入爪は爪の切り方を変えるだけで、多くは予防できます。爪は指の形に沿って丸く切るのではなく、角を四角く切る「スクエアカット」にします。また、切りすぎはやめて、深爪にならないようにします。サイズの小さい靴は避けることも大切です。陥入爪の治療は、医師によって考え方が異なります。爪を専門的に診る医師への受診をおすすめします。

監修

関東中央病院 皮膚科 部長

鑑慎司

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