熱性けいれん

ねつせいけいれん

最終編集日:2023/2/2

概要

熱性けいれんは、生後6カ月から5歳頃までの乳幼児が38℃以上の熱を出したときにけいれんを起こすことを指します(けいれんのほか、脱力、一点凝視、眼球上転を起こす場合も)。発熱の原因が髄膜炎などの疾患である場合や、てんかんの既往歴がある場合は除外されます。

発熱後、24時間以内にけいれん発作を起こすことがほとんどで、日本では10人に1人程度の乳幼児が経験しているとされています。乳幼児のけいれんを目のあたりにすると慌ててしまいがちですが、熱性けいれんの場合、通常は5分以内に治まります。なお、発熱時以外のけいれんや、けいれんが長くつづいたり、くり返したりする場合は別の疾患の可能性もあり、注意が必要です。

原因

熱性けいれんの原因は、発達途中にある未熟な脳の神経細胞が、急激な体温の上昇という刺激に反応してしまい、けいれんを起こすと考えられています。このため、6歳頃には熱性けいれんを発症することはなくなります。

症状

症状としては、38℃以上の発熱時に、けいれんや意識障害を起こします。熱性けいれんのガイドラインでは、下記の3つのうち1つでも該当する場合は、複雑型熱性けいれん、いずれも該当しないものは単純型熱性けいれんと定義しています。


●からだの一部に発作(半身のけいれんや眼球変異など左右差のある発作、一点凝視など)が起こる

●発作が15分以上持続する

●発熱後、24時間以内に複数回発作が起こる


熱性けいれんの多くは、数分で自然と治まる単純型です。もしも乳幼児がけいれんを起こしたときは、発作後に嘔吐をする場合があるため、ゆっくりと横向きに寝かせて安静にし、けいれんの状態や時間などを観察することが大切です。舌をかむことはまずないので、物をかませたりする必要はありません。通常とは異なり、複雑型(けいれんをくり返したり、5~10分以上つづいたり、意識が回復しにくい)のときは別の疾患の可能性もあるので、救急車を呼んで医療機関で診てもらう必要があります。

検査・診断

問診などで症状や病歴などについて確認し、熱性けいれんと診断できる場合はとくに検査などは行いません。発熱時のけいれんは熱性けいれんが多いですが、診察所見で別の疾患が疑われる場合などは、血液検査、髄液検査、MRI検査などが検討されます。

治療

熱性けいれんと診断された場合、診察時にはけいれんが治まっているため、一般的には経過観察となります。もしもけいれんがつづく場合は、抗けいれん薬の静脈注射を用いるなど、けいれんを止めるための治療が施されます。

セルフケア

療養中

全体の約30%が再発するといわれています。複雑型熱性けいれんを起こす可能性が高い場合などは、ジアゼパムという座薬を発熱の早期に用いることで、けいれん発作を予防することができます。薬の副作用があるので医師に確認・相談してみるとよいでしょう。

監修

昭和大学 医学部脳神経外科 名誉教授

藤本 司

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