男性の排尿トラブル ~若年層にも起こる「排尿後尿滴下」とは?

最終編集日:2022/8/17

●排尿症状、蓄尿症状、排尿後症状の3つがおもな尿トラブル


排尿にまつわるトラブルは、おもに排尿症状(尿が出にくい、勢いが弱い等)、蓄尿症状(尿が近い、我慢できない、漏れる等)、排尿後症状(残尿感、排尿後に尿が垂れる等)の3つに分けて考えられます。男性では加齢とともに、この3つの症状のどれもが起こりやすくなります。


●若年男性層にも一定数起こる「排尿後尿滴下」


排尿症状や蓄尿症状が壮年期以降の男性に起こりやすいのに比べ、排尿後症状の1つである「排尿後尿滴下」は加齢とともに頻度が増えるものの、日本人男性の調査で20代で11.5%、30代で13.2%にみられたという報告があります。

この排尿後尿滴下とは、いったん排尿を終えた直後に、ズボンのジッパーを上げたときやトイレから出ようとするタイミングなどで少量の尿が漏れ出し、下着をぬらしてしまう、というものです。


正常な排尿では、排尿の最後には膀胱(ぼうこう)の筋肉が収縮しきって尿を押し出し、膀胱の出口にある括約筋がきゅっと締まって尿を止めます。このとき、尿道周囲を取り巻いている筋肉も同時に締まって尿道内に残った尿を全部押し出します。ところが、尿道を取り巻く筋肉の働きが不十分になると、排尿は終了しても尿道の奥のほうに少量の尿が残ってしまい、これが体を動かしたり、姿勢を変えたりしたときに漏れ出てくることがあります。精密な検査をしても、尿道や括約筋や膀胱の異常が見つかることはほとんどありません。


●特別な治療法がない「排尿後尿滴下」の対処法は?


排尿後尿滴下の場合、ごくまれにある、尿道に狭い部分ができている(尿道狭窄)などの明らかな原因がある場合以外には、内服薬や手術といった特定の「治療」があるわけではありません。

対処法としては、排尿を急いで切り上げず、尿が最後まで出てくるように待つ、程度がひどい場合には排尿終了後に陰嚢と肛門の間(会陰部)を手で押し、残っている尿を押し出す、などがいわれています。また排尿の際、尿道の一部がパンツ(下着)のゴムなどで圧迫されていると、排尿終了時に尿道に尿が残りやすくなります。こうした排尿習慣を改善することも重要です。


排尿障害は、放置することによって少しずつ悪化し、膀胱機能や腎臓機能が回復不能なまでに低下することもあり、生活の質(QOL)を低下させる典型的な病態でもあります。

中高年の人はもちろん、若い人でも、仕事に差し支える、日常生活で気になってしまう場合は、排尿障害に関する専門家(泌尿器科医)に相談することをおすすめします。

監修

なかむらそうクリニック 院長

中村 聡

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