きょうから始める!大腸がんを防ぐ生活習慣

最終編集日:2026/1/5

大腸がんは日本人に最も多いがんで、年間15万人以上が診断され、5万3千人以上が死亡しています。しかも高齢化に伴い、患者数は増加傾向にあります。一方で研究が進み、罹患リスク(発症リスク)と生活習慣の関連が明らかになってきています。新年を迎えた今、大腸がんを予防するために、生活習慣を見直してみませんか。


●男性の10人に1人、女性の12人に1人は大腸がんになる可能性

大腸がんは日本人がかかるがんの中で一番多く、一生のうちに大腸がんと診断される確率は男性10.3%(10人に1人)、女性8.1%(12人に1人)と推計されています。死亡者数は肺がんに次いで2番目に多く(がん死亡全体の13.8%)、女性に関しては死亡者数が一番多いがんは大腸がんです。

また、年齢別の罹患率は50歳代から徐々に増加して80歳代でピークを迎えますが、50歳未満も増加しつつあるといわれています。


●喫煙、飲酒、肥満は大腸がんの罹患リスクを増加させる

国内や海外のさまざまな研究によって、大腸がんの罹患リスクを増加させる要因がわかってきています。

喫煙については、1日あたり20本以上タバコを吸うと、男性で約20%、女性で約40%、大腸がんのリスクが高くなることが明らかになっています。

飲酒に関しては、1日あたりのアルコールの摂取量が増えるにつれ、飲まない人と比較したときの大腸がんのリスクが高くなることが示されています。

肥満は、大腸がんのリスクを増加させます。BMI(体格指数)が上昇するにつれてリスクが増加し、とくに男性の場合はBMIが25以上の人で顕著でした。

また食事では、加工肉や赤肉(牛、豚、羊など)が大腸がんのリスクを増加させ、野菜や果物の摂取不足が大腸がんのリスク上昇と関連する可能性があることが、とくに海外では示されています。

大腸がんを予防するには、こうしたリスクを回避することが必要です。すなわち、禁煙をし、飲酒は控える(飲酒する場合は節度を守る)、赤肉や加工肉はなるべく控える、野菜や果物が不足しないようにする、などの行動や、適度な体重を保つことが大腸がんを防ぐことにつながります。


●適度な運動、食物繊維を含む食品などは罹患リスクを減らす

大腸がんの罹患リスクを低下させる要因も徐々にわかってきています。海外では、適度な運動、全粒粉類や食物繊維を含む食品、乳製品、カルシウムのサプリメント、ビタミンCを含む食品、魚由来の不飽和脂肪酸などが推奨されています。日本人にもあてはまるのかは研究途上ですが、これらを生活習慣として取り入れてみてもよいかもしれません。


⚫️早期発見・早期治療であれば予後は良好

大腸がんは死亡者数が多いため、怖い病気に思われがちですが、予後をみてみると、ステージⅠ(がんが固有筋層までに留まり、転移がない状態)での5年生存率は93.1%です。早期に発見して治療を受ければ治りやすい病気といえます。ただし、早期のうちは自覚症状がほとんど現れませんから、大腸がん検診を受けることがとても重要です。

検診の方法には、便潜血検査と大腸内視鏡検査があります。便潜血検査は便に血が混じっていないかどうかを検査するもので、市区町村が実施する大腸がん検診、職場の健診、人間ドックなどで行われています。便を採取するだけの簡単な検査なので、毎年欠かさずに受けておきたいものです。

大腸内視鏡検査は肛門から内視鏡を入れ、ポリープや腫瘍の有無、粘膜のようすをチェックする検査で、病変と思われる組織をその場で採取することも可能です。便潜血検査よりも精度が高いので、便潜血検査で異常があった場合や、リスクが高い人は、医師と相談のうえで大腸内視鏡検査を検討するとよいでしょう。人間ドックで受けられるほか、かかりつけの内科で受けられることもあるので、相談してみましょう(検診目的の場合は健康保険の適用外になります)。


※数字や研究結果などは、国立がん研究センター がん対策研究所『大腸がんファクトシート2024』より


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監修

国立研究開発法人 国立がん研究センター 中央病院 検診センター長

小林 望