流行前に接種したい!インフルエンザワクチン
最終編集日:2025/10/20
10月から今シーズンのインフルエンザワクチン接種がはじまりました。
「受け方や効果がよくわからない」「副反応は大丈夫?」「子どもはどうすればいいの?」など、インフルエンザワクチンについて疑問を持つ人も多いようです。
そんな疑問を解消し、インフルエンザが流行する前に、早めにワクチン接種を実施しましょう!
●「ワクチンはいつまでに接種すればいい?」
インフルエンザは、例年12月~3月頃に流行し、そのピークは1月~2月頃です。通常、ワクチンの予防効果が期待できるのは、接種の2週間後から約5カ月程度と言われています。そのため、遅くとも12月中旬頃までにはワクチン接種を終えておくことが推奨されます。
●「乳幼児は接種できるの?」
生後6カ月から接種可能です。大人に比べて免疫力を獲得しにくいので、13歳未満では2回の接種が必要です。1回目から2〜4週間あけて、2回目の接種を行います。流行前に終えられるように、早めの接種が望ましいでしょう。家庭内での感染を防ぐためには、家族も一緒に予防接種を受けると安心です。
●「鼻スプレー型のワクチンってどんなもの?」
鼻にスプレーするタイプの経鼻弱毒生ワクチンは、2024/25シーズンからはじまった新しいワクチンです。対象は2〜19歳未満で、2歳未満及び19歳以上の人が接種することは認められていません。
経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの実際の投与方法は、医師または看護師が両方の鼻腔(鼻の穴の中)に0.1mLずつを1回噴霧します。ワクチンを接種する際に生じる注射針による痛みや苦痛が軽減されることが期待できます。
経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの接種を希望する場合、事前に接種可能かどうかを医療機関に確認しましょう。また、従来の注射タイプが推奨されるケースもあるので、医師と相談して選ぶことが大切です。
●「どんな副反応が起こる?」
おもな副反応は、接種部位の赤み、腫れ、痛みなどで、受けた人の約10~20%に起こるといわれています。また、全身性の反応として、発熱、頭痛、寒気(悪寒)、だるさ(倦怠感)などが現れる場合があり、約5~10%に起こるといわれています。通常、症状は比較的軽いことが多く、これらの反応は2~3日でおさまります。
まれに、ワクチンに対するアレルギー反応(発疹、じんましん、発赤、掻痒感)がみられることがあります。強いアレルギー反応やけいれん、運動障害・意識障害・呼吸困難がみられる場合は、すぐに医療機関を受診してください。
●「ワクチンを打ってもインフルエンザにかかるのはなぜ?」
現行のインフルエンザワクチンは、感染した場合の発症を抑えることや、発病後の重症化や死亡を予防することに、一定の効果があるとされています。したがって、接種すればインフルエンザに絶対にかからないというものではありません。
インフルエンザ予防の基本は、ウイルスとの接触を避けることです。
手洗いやうがい、マスクの着用など、日頃から感染対策を行うことが重要です。また、インフルエンザウイルスは寒く乾燥した環境を好むため、室内では加湿器などを用い、温かくして過ごすことも感染予防に有効です。
※2025年10月6日時点の内容です。
監修
みんなの家庭の医学メディカルチーム