アルコール依存症の症状と治療とは

最終編集日:2025/6/2

「酒は百薬の長」といいますが、飲みすぎれば、毒。多量飲酒を長期間続けていると、アルコールに対する依存が形成され、やがて「アルコールがないといられない」状態になることがあります。これがアルコール依存症です。

アルコール依存症になると、お酒がないと精神的不安を覚えたり、体内からアルコールが抜けると不眠、発汗、手のふるえ、血圧の上昇、イライラなどの症状が現れます(離脱症状)。重症になると、幻覚けいれん発作などが現われることもあります。


●アルコール依存症の診断

アルコール依存症の診断は、依存症の専門医が行います。お酒が切れると不快な症状があるうえ、自分では飲酒コントロールができない、身体的・精神的に有害なことがあっても飲酒をやめられない状態にあると、アルコール依存症と診断される可能性が高くなります。


●アルコール依存症の治療

治療は、依存症治療を専門としている医療機関で行います。多くの場合、入院治療が選択されますが、本人の心身の状態が比較的安定していて、自身や家族によって生活改善が可能な場合は、外来で治療が行われることもあります。

治療の目的は、断酒によるアルコール依存からの回復です。断酒を開始すると同時に、離脱症状や精神的な症状を改善する治療をしていきます。そして、断酒を継続して心身を良好に維持し続けていくために、心理社会的治療(酒害教育、個別・集団での精神療法、自助グループへの参加など)が行われます。

アルコール依存症になると、断酒を継続するのは簡単なことではありません。治療中、お酒を飲みたいという気持ちが勝ってしまい、挫折してしまう人も多いようです。一方、断酒を続ければ心身の状態は回復するので、医師や家族、自助グループなどの外部の助けを借りながら、治療を継続していくことが大切です。


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監修

保健同人フロンティアメディカルチーム