睡眠中の赤ちゃんの死亡事故を減らすために
最終編集日:2022/12/3
乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)という病気をご存知ですか? 元気な1歳未満の赤ちゃんが睡眠中、何の予兆もなく突然死に至る病気です。生後2〜6カ月の乳児に多いとされ、窒息や事故とは異なり、死亡後も原因が特定できない場合に診断されます。2021年には81人の赤ちゃんがSIDSで命を落としており、日本の乳児期の死亡原因の第3位です。冬季に発症しやすい傾向があるため、これからの時期は特に注意が必要です。
●発症リスクを低くする3つのポイント
SIDSの予防方法は確立していませんが、以下の3つを守ることで発症率が下がるというデータがあります。
・ポイント1
「1歳になるまでは、仰向けに寝かせる」
SIDSはうつぶせ、仰向けのどちらでも発症しますが、うつぶせのほうがより発症率が高いことがわかっています。睡眠中の窒息事故を防ぐことにもつながるため、医学上の理由がない限り、自分で寝返りができるようになるまでは仰向けで寝かせるようにしましょう。
・ポイント2
「できるだけ母乳で育てる」
母乳で育てられている赤ちゃんは、人工乳と比較するとSIDSの発症率が低いということがわかっています。人工乳がSIDSをひきおこすわけではありませんが可能であれば母乳をあげましょう。
・ポイント3
「喫煙はNG」
たばこの喫煙はSIDS発症の大きな危険因子です。妊婦自身の喫煙はもちろん、赤ちゃんや妊婦と一緒に暮らしたり接したりする身近な人の喫煙もよくありません。妊婦や赤ちゃんのそばでの喫煙はやめましょう。
監修
東邦大学医療センター大森病院 小児科学講座
清水由律香
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