仕事が忙しく帰宅後、何の意欲もわかない

以前に比べ、帰宅後に何かをする意欲が低下しているのですね。おそらく奥さんも、あなたの変化を感じて心配していることでしょう。受診の必要性や、タイミングなどについても一緒に考えてみたいと思います。

　受診したほうがよいかどうかを考えるには、どのような症状が出ているのか、症状がどのぐらい続いているのか、それによって日常生活に支障が出ているか、が重要なポイントとなると思います。相談内容からは、意欲や集中力の低下が伺えますが、それ以外に気になる症状は出ていますか？　とくに食欲や睡眠は、ストレスの影響を受けやすい部分です。食欲がない、眠れないという以外にも、食べすぎてしまう、常に眠いなど、日ごろと違った状態が続く場合には注意が必要です。

一般的には症状が2～3週間以上続き、日常生活にも支障が出ているようなら、一度受診をしたほうがよいとされています。あなたの場合、仕事は今まで通りこなしていて、意欲や集中力の低下は家庭内だけで見られ、他には症状が出ていないということでしたら、少し様子を見てもよいと思います。もし、職場でも意欲や集中力の低下が見られたり、朝起きられなくて遅刻したり、食欲や睡眠などにも影響が出ている場合は、受診を検討したほうがよいでしょう。心配なようでしたら、病気を予防するという観点から、以前の主治医に相談してはいかがでしょうか。

　また、同時に生活環境を見直していく必要もあるかもしれませんね。「最近仕事が忙しくなり」とのことのですが、仕事量や残業時間が以前よりも増えたのであれば、1日のエネルギーを仕事だけで使い果たし、帰宅後はエネルギーが残っていないという状態になっている可能性があります。自宅ではあまり無理をしないようにし、早めに就寝するなど、体を休めることが大切です。奥さんにも、仕事が忙しい間は、あまり話を聞いてあげられないことを伝えておくとよいでしょう。家族の理解を得て、協力してもらうことで、楽になる部分もあると思います。

ただ、忙しさが今後もずっと続くことが予想される場合は、会社にも相談したほうがよいかもしれません。今までよりも明らかに仕事の量が増え、それを長期に渡ってこなしていくことがむずかしいと感じるのであれば、上司に現状を伝え、相談してはいかがでしょうか。そのときには、意欲が低下していることに加え、現在の仕事の負担をどのように変更してもらえると忙しさが改善されそうか、具体的な希望を伝えるとよいでしょう。

　体や心の状態がいつもと違うと感じるときには、それ以上悪化することを防ぐためにも、早めに対処することが大切です。奥さんや、職場の方々、医師とも相談しながら、よい方法を検討してみてください。