指定難病「進行性核上性麻痺」の治療法とは

2025/05/13
父親が「進行性核上性麻痺」と診断されました。今後の治療について教えてください。
この質問への回答
昭和大学 医学部脳神経外科 名誉教授
藤本 司
進行性核上性麻痺の治療法は残念ながらまだ確立されていません。症状を改善する治療(対症療法)が中心になります。
パーキンソン病に似た症状(歩行障害、すくみ足、筋肉が硬くなる筋強剛、無動など)に対して抗パーキンソン病薬(L-ドーパ)、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などが用いられます。認知機能障害については、有効とされる薬は現時点ではありません。
並行して、日常生活動作(ADL)の低下を防ぎ、機能を維持するための、バランス訓練、言語訓練、嚥下訓練、筋強剛を示す筋肉のストレッチなどのリハビリテーション治療が行われます。
進行性核上性麻痺では転倒しやすさ、歩行障害、嚥下障害、軽度の認知機能障害などが現れます。介護の際には、転倒によるけがや誤嚥、臥床状態が長くなったら褥瘡(じょくそう:床ずれ)などに気をつけてあげましょう。
なお、厚生労働省の指定難病になっています。主治医の協力を得て、地方自治体に申請し、登録するとよいでしょう。


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