耳の奥の痛みと歯ぐきの腫れ、関係あるの？

耳に分布している神経は、歯やのど、舌の下、あごなど、ほかの部分にも枝をのばしているため、耳自体に異常がなくても、その部位の異常に関連して耳が痛くなることがあります。そのほか、口腔内の炎症が、唾液腺の一つである耳下腺や、リンパ腺に及ぶことにより、耳の痛みとして感じることも考えられます。

一方、歯ぐきの腫れは、歯と歯の間や、歯と歯ぐきのすき間に歯垢や歯石がたまり、細菌が繁殖して炎症を起こすことも誘因の一つです。歯ぐきが腫れているときは、歯磨きのしかた次第でさらに歯ぐきを傷めてしまうことがあるため、注意が必要です。軽い力で時間をかけて、よりていねいにブラッシングするよう心がけましょう。歯ぐきをマッサージするように磨くと、歯ぐきの血行がよくなり、炎症を和らげることが期待できます。さらに、デンタルフロスや歯間ブラシを使用することで、効果的に歯垢を除去することができます。

また、不規則な生活や喫煙は避け、ストレスや疲れはためないようにして、免疫力を高めることも大切です。

耳鼻咽喉科医から再受診を指示されているようでしたら、処方された薬を飲みきる段階で再度受診し、症状を報告して、今後の治療について相談されるとよいでしょう。再受診の指示がない場合や、１週間ほど前述の方法でブラッシングを続けても歯ぐきの腫れが続く場合には、歯科領域の治療が必要かを確認するためにも、歯科への受診をおすすめいたします。

受診の際は、おくすり手帳や処方箋の控えなど、耳鼻咽喉科で処方された薬品名と服用期間がわかるものを持参し、これまでの経過を伝えた上で相談されるとよいでしょう。