原因不明のおなかの痛み

腹部の上部には、胃や十二指腸、胆のう、肝臓などの消化器科で診る臓器があり、下腹部には小腸、大腸、直腸などの消化器ほか、腎臓、尿管、膀胱などの泌尿器科の臓器があります。

左脇腹など腹部の痛みは、胃腸の炎症や便秘など消化器官が要因となることが多いですが、臓器に問題がなくても肋間神経痛のほか、心身の疲労や緊張など心理的要因で現れることもあり、その原因はさまざまです。

臓器に何らかの問題が起きて症状が現れる場合には、食後や空腹時など特定の条件下であったり、吐き気や下痢、食欲不振など臓器特有の症状を伴うことが多いため、どのような状況で痛みが起こるか、ほかに伴う症状はないか経過を観察し、受診の際に医師へ伝えられるとよいと思います。

臓器に原因がない場合には、一過性に症状が生じて、心身の休息や胃腸に負担の少ない食生活を送ることで、自然に軽快していくこともあります。暴飲暴食や香辛料などの刺激物を避け、消化吸収のよい食事、十分な睡眠を心がけましょう。

胃腸は非常に敏感な臓器であるため、症状が現れているときは何らかの負担がかかっているサインと考え、普段の生活を意識してゆっくりお過ごしになることをおすすめいたします。

数日経過しても症状が続く場合や、下痢や吐き気、発熱などほかの症状を伴う場合には、かかりつけの内科医、または腹部の専門科である消化器内科もしくは胃腸科を受診し、今後の対処方法や経過の見方などをご相談ください。