Question

子宮筋腫の手術。筋腫摘出と子宮全摘出の違いは?

子宮筋腫の手術について、筋腫のみの摘出と、子宮全摘出のどちらかで悩んでいます。それぞれのメリットやデメリットを教えてください。


女性/30代

2024/02/23

Answer

子宮筋腫ができる原因はよくわかっていませんが、卵巣で作られる卵胞ホルモン(エストロゲン)と密接な関係にあるといわれています。治療法には、経過観察する方法やホルモン療法、筋腫のみを摘出する保存的な療法、子宮を摘出する根治療法があります。


一般的に手術の適応は、筋腫が大きくなってきたときとされていますが、できている部位や症状の有無、年齢などによって判断は異なります。手術の術式は、腹腔鏡下、腹式、腟式など、病状やご本人の希望によって検討されます。

子宮筋腫の手術で考慮される項目は、子宮筋腫の位置、大きさ、症状、年齢、将来的な妊娠の可能性や希望などによります。今後、妊娠を希望する場合は、子宮を温存する方法(筋腫のみ摘出)がすすめられます。


子宮を全摘するメリットは、筋腫や月経による貧血が改善され、その結果、心臓などのからだへの負担が軽くなり、生活面で疲れなどから解放される点です。なお、子宮を全摘すると腟は少し短くなりますが、短くなったことで生じる問題はとくにありません。子宮頸がん体がんの心配がなくなり、子宮がん検診を受ける必要もなくなります。ただし、ごくまれに、腟にがんができる可能性があるため、時々検査で確認すると安心でしょう。

子宮筋腫のみを摘出した場合、妊娠・出産が可能です。しかし今後、子宮筋腫の再発や、婦人科系の疾患(がんを含む)の可能性は残ります。月経は今までどおりで、子宮がん検診を定期的に受ける必要性があるでしょう。


いずれの治療も卵巣が残っていれば、女性ホルモンが分泌されるため、排卵が起こり、更年期のような不快な症状は起こりません。また術式は腹腔鏡下、子宮鏡下など、術後の負担が少ないものの場合は、入院期間は開腹手術よりも短く、術後から通常の生活に戻るまでの期間も短くなっています。しかし、術中に出血量が増えるなどの問題が起これば、安全を優先し、開腹手術に切り替わる可能性もあります。大切なご自身のからだの治療のため、慎重に検討するのは当然のことです。次回の受診の際は、主治医に遠慮することなく、疑問や不安について相談されることをおすすめします。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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