歯磨きのたびの出血は受診すべき？

ご相談者は歯磨きのたびに歯肉（歯ぐき）の出血がみられるとのこと。できれば早めに歯科を受診されるとよいでしょう。歯周病が進行している可能性が考えられるからです。歯周病は基本的には歯磨き（ブラッシング）で改善されることが多いのですが、それでも出血を繰り返すなどの症状がみられるときは、ブラッシングだけでは改善が見込めないほかの要素も考えられます。

たとえば、出血がなかなか止まらない、歯肉以外に鼻血などの出血が頻繁にみられる、皮下出血がある（あざが多数あるなど）などの症状を伴う場合は、まれなことですが、全身の病気が隠れていることもあります。早急に医師の診察を受ける必要があります。かかりつけ内科があれば、そちらで相談されるのがいいでしょう。

今後、症状を繰り返さないためにも、歯科を受診したのちはセルフケアに努めましょう。歯周病対策の基本は、歯周病菌を繁殖させる原因を取り除くことです。その原因の代表は「歯垢」と、その塊である「歯石」です。軽度の歯周病の場合は、歯垢や歯石を取り除けば、多くは改善します。ご自身による毎日のブラッシングと、歯科での定期的な歯垢除去が必要です。磨き方が自己流になっていると正しい予防ができません。歯科を受診した際には、ぜひブラッシングの指導を受けることをおすすめします。

歯周病は完治を目指すよりも、歯肉を少しでもよい状態で維持することが重要です。また近年、歯周病と糖尿病、心疾患など、全身の病気との関係が注目されています。歯の健康だけでなく、全身の健康のためにも、ぜひ適切なケアを続けてください。