歯周病治療でインプラントをすすめられたが……

歯周病の治療のほとんどは歯科で行われていますが、症状がひどい歯周病や、歯周病の治療に迷いがある場合は、日本歯周病学会の認定歯周病専門医が在籍する医療機関の受診をおすすめします。

歯の根がだめになり、歯を失った場合の治療法の1つとしてインプラントがありますが、以下のメリットがあります。

●ほかの歯に負担がかからない

●義歯をしっかりと固定できるので本物の歯に近い感覚でかめる、など

現在の歯の状態から、インプラントの治療が選択肢として最適なのか、受診先でよく相談するとよいでしょう。

また、参考までに、歯周病の一般的な治療方法をここでご紹介します。

歯は歯槽骨や歯根膜、歯肉からなる歯周組織で支えられています。そこに炎症を起こす疾患が歯周病です。治療は軽症か重症かによって異なります。

軽症例では、歯石除去や正しい歯磨きの指導などを行います。進行して歯周ポケットが深くなり、中にプラーク（歯垢）や歯石が入り込んだ場合は外科的な処置が必要となります。

重症の場合、外科治療でおもに行われるのが、歯肉を切開して歯の根を露出させ、直接目視しながら歯石を取り除く「フラップ手術」です。加えて、歯槽骨の破壊の程度が少ない方には「歯周組織再生療法」が行われることがあります。ただし、歯周組織再生療法は条件がそろえば効果が期待できますが、適応が限られており、すべての方に対して行えるわけではありません。重度の場合は無理に歯を残しておくと病巣が広がる場合もあり、歯を抜かざる得ないこともあります。