Question

多汗症の診療科と治療方法は?

十数年前から多汗症と思われる症状で悩んでいます。特に夏場は、ほぼ全身から吹き出すような汗が止まらず、着衣に汗染みもできるため、着替えを常に持ち歩くほどです。夏以外も仕事のプレゼンや軽度の肉体労働でも、他の人より多くの汗をかきます。受診したいのですが、何科に行けばよいですか? 治療方法にはどんなものがありますか。現在、脂質異常症で治療を受けていますが、並行して多汗症の治療を受けられるかについても知りたいです。

男性/30代

2022/10/04

Answer

暑い季節はもちろんのこと、仕事のうえでも他人より汗をかくとのこと。長年、自分なりの対処方法で乗り切ってきたのですね。


汗のほとんどは全身にあるエクリン汗腺と呼ばれる部分から出ていて、体温や湿度調節の機能を担っています。日常生活に支障が出るほど多量の発汗があるときに、多汗症といわれます。多汗症には、全身性と局所性があり、局所性で手のひらや足の裏に多量の発汗をする場合は、掌蹠(しょうせき)多汗症と呼ばれています。


発汗量は1日の中で変動があり、昼間に多く、ストレスや興奮などの刺激によって、起きているときは著しい汗の増加がみられます。精神性発汗とも呼ばれています。しかし、寝ている間は汗が止まっています。また、季節により差がみられ、寒いと汗が減り、蒸し暑い時期は増える傾向があります。


汗についての受診先は、皮膚科になります。受診後、発汗が過剰に起こる原因の確認や、発汗量の検査などが行われます。


治療は、症状の程度に応じて、薬物治療、イオントフォレーシス(イオン導入法:汗の多い手のひら、足の裏を水道水の入った容器の中に浸し、10~20mAの直流電流を流す方法。一般的に1週間に1~2回行う)、ボトックス注射(手のひらや腋窩に2cm間隔で局所注射をする。1週間程で汗の量が減少し、約6カ月間持続)神経ブロック、外科的治療などが、保険適用の治療として行われます。

各々保険点数が決まっており、具体的な金額については情報提供することが難しいため、医療機関にお問い合わせください。


相談者のように、他の病気の治療中であるときには、医師が既往歴を確認しながら、汗との関係性はないか、薬の飲み合わせは問題ないかなどを考えて、適切な治療を組み立てます。

治療期間は、薬を用いてどのように改善したのかを確認しながら、治療を継続したり、他の治療に変えたりしていきます。個人差があるので、受診時に、治療期間の目安を確認するとよいでしょう。また、受診時に状況をよく理解してもらうため「いつから」「どんなふうに」「どの程度」「どのくらいの間にどのくらいの時間続くか」「どのような状況で」「症状を軽くまたは悪くするような因子はあるか」「主症状に伴う別の症状があるか」などを伝えるとよいでしょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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多汗
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