妊娠中、体温が高くなることはありますか？

妊娠中期に入って、体温の高い状態が続くことで、新型コロナウイルス感染症による発熱と、どのように区別して考えればいいかという質問ですね。

妊娠すると、妊娠継続をするために体温を高く保つ作用のある黄体ホルモン（プロゲステロン）の分泌が増えるため、基礎体温が高温期のまま続きます。一般的には、胎盤が完成するとされる妊娠12～16週を過ぎると少し下がる傾向にありますが、体温が下がる時期には個人差があります。一方、新型コロナの症状は、かぜ症状と同様で、発熱だけでなく全身倦怠感が強く出ることが報告されています。なかには発熱が認められない場合もありますが、せきやのどの痛みなど、多くは他の症状が現れます。

現時点では、妊婦さんの場合、体温が何度以上ならコロナ感染を疑うべきという明確な基準は、確立されていません。体温の高さに上記のような症状を伴うかどうかが、1つの判断材料になるでしょう。

万一、妊娠中にコロナに感染しても、現時点では、感染によって、胎児の異常、流産、早産、死産のリスクが高くなるという報告はありません。また、症状の経過や重症度は妊娠していない人と変わらないとされています。心配であれば、一度、主治医の産婦人科医に相談することをおすすめします。

また、妊産婦向けの感染予防対策として、日本産婦人科医会や厚生労働省のサイト情報も参考になります。

※2022年9月10日時点の内容です。