肺がんの可能性がある場合の検査内容とその受け方

女性/40代
2022/05/25

家族が肺がんの可能性を指摘され、とても不安です。今後どんな検査を受けることになるのか、どの検査がどんな目的で行われるのかを教えてください。また、検査の結果が出るまでにどんなことに気をつければよいでしょうか?


この質問への回答

みんなの家庭の医学メディカルチーム

通常、がんなどが疑われる場合は、複数の検査を組み合わせて行い、最終的には組織の病理検査の結果で診断を確定します。肺や気管支の腫瘍では、胸部X線検査やCT検査などの画像検査、血液検査の腫瘍マーカーなどを行います。腫瘍マーカーとは、がん細胞が産生する物質をおもに血液で測定するもので、がんの性質や広がりの目安として使われます。ただし、この検査だけでがんの有無を判断するのではなく、あくまで補助的な検査です。


これらの結果を総合的に判断し、肺がんの疑いが少しでもあれば、がんかそうでないかを明確にするために病理検査を行います。

病理検査の方法は、以下のとおりです。


●喀痰(かくたん)細胞診

がん組織からはがれて痰に混じったがん細胞を見つける検査です。1回の検査ではがん細胞を見つけにくいので、何回か痰をとって検査します。

●気管支鏡検査

気管支内視鏡を鼻または口から挿入して、のどから気管支の中を観察し、がんが疑われる部位から組織や細胞を採取します。

●経皮的肺生検

喀痰細胞診や気管支鏡検査がむずかしい場合、またはそれらの検査では判断できない場合などは、X線や超音波(エコー)などの画像で確認しながら、皮膚の上から細い針を刺し、肺組織を採取して検査します。


このほかに、がんが疑われる病変から組織の一部をとる精密検査として、次のような検査が行われる場合もあります。

・胸腔鏡検査

・縦隔鏡検査

・開胸肺生検検査

どのような検査を受けるかは、肺の影の大きさやその場所などによって医師が判断するので、主治医の話を聞きながら今後の検査を決めましょう。


今後、詳しい検査に進む場合は、以下のポイントに注意して医師や医療従事者と良好な関係を築いていくのがよいと思われます。

●対話を重ねる

困ったこと、わからないこと、不安なことは素直に伝えましょう。

●質問事項のメモを持参

あらかじめ聞きたいことを書き出しておくと、疑問点を整理でき、短時間でも要領よく質問することが可能です。

●看護師などほかの医療スタッフの協力も得る

医師の診察は限りがあるので、その場で解決できないことが出てくるかもしれません。看護師など、療養を支援するスタッフにも相談すると、疑問や不安の解決につながるでしょう。


また、医師などの医療関係者と話すときは、以下のことに注意してみましょう。

● 診察時にはなるべくメモをとる

大切な話は可能な限りメモしましょう。あとから自分で調べたり、家族に説明するときにも役立ちます。

● わからないことは質問する

説明中に専門的な言葉が出ることも少なくないので、わからないことがあれば、医師や近くにいる医療従事者に質問しましょう。

●できればほかの人と一緒に聞く

動揺して冷静に聞くことができない、質問ができないといった事態に備え、あらかじめ大切な説明があることがわかっているときは、信頼できる家族などに一緒に聞いてもらいましょう。担当医の許可をもらって、説明内容を録音させてもらうのもひとつです。


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