赤ちゃんに米のとぎ汁のような便が出た

米のとぎ汁みたいな便というのは、形がない水のような便（水様便）で、色が乳白色から白色（白色便）である、ということでしょう。水様便はひどい下痢のときに起こり、白色便は肝臓の働きの低下や、胆汁の通り道（胆道）の閉塞のために胆汁が腸の中に出てこない場合に起こります。もともと元気だった赤ちゃんでこういう便が出るのは、たいがい、ロタウイルスと呼ばれるウイルスによる腸炎のときです。このロタウイルス腸炎は12～3月の冬場に多く、乳児冬季下痢症、白色便性下痢症、乳児嘔吐下痢症などと呼ばれている病気とだいたい同じものです。ふつう、1日数回の嘔吐で始まり、半日から1日おくれて白っぽい水様便があらわれます。嘔吐は1～2日、下痢は3～5日ほどでよくなります。この病気の間に脱水にならないように、少量ずつ回数を多く水分を飲ませることが大切です。ロタウイルスは、便にたくさん出てくるので、わずかな接触によって別の赤ちゃんの口から入ってうつります。赤ちゃんの世話をする人は、よく石鹸と流水で手洗いをしましょう。気をつけていても予防はむずかしいので、乳幼児期にはだいたいの子どもがかかる病気と考えたほうがよいと思います。潜伏期は2～3日です。なお、2020年10月から、ロタウイルスに対するワクチンが定期接種になりました。

生後6週以降に開始し、4週間以上の間隔で2回ないし3回経口摂取します。

しかし、ワクチンを安全に接種するために、生後24週までに2回、ないし32週までに3回の接種を終了していなければなりません。

くわしいことは主治医の先生にお聞きください。