B型肝炎ワクチンの必要性
B型肝炎のワクチンは、どうして受ける必要があるのでしょうか。(3か月|男児)
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女性/30代
2021/12/21
B型肝炎(HB)ウイルスは、おもに血液を介して感染します。とくに、HBウイルス保因者(検査のうえでは、HBs抗原陽性)である母親から出生した新生児にはやや高い率で感染が起こり、その大部分がHBウイルス保因者になります。これを防ぐには、HBに対する抗体を多く含んでいる「HBグロブリン」を、出生後なるべく早く、新生児に注射します。しかし、この「HBグロブリン」は2~3か月で赤ちゃんの血液から消えていくので、HBワクチンを2、3、7~8か月に計3回注射するなどのスケジュールで投与し、数年間にわたりHBに対する十分な免疫力を保持するようにすると、ほとんどの場合に子どもがHB保因者になるのを防ぐことができます。現在、日本ではHBs抗原陽性の母親から出生した赤ちゃんに対するこのようなHBワクチン接種は、健康保険で行えるようになっています。しかし、HB型肝炎は母子感染以外でも感染するという考えから、アメリカ合衆国などでは乳児期に全員に予防接種を行ってきました。日本でも、2016年10月よりB型肝炎ワクチンが定期接種化されました。日本小児科学会では、生後2か月に第1回接種、生後3か月に第2回接種(第1回から27日<4週>以上あける)、生後7~8か月に第3回接種(第1回から139日<20週>以上あける)を行うことを推奨しています。社会の国際化に伴って、その必要性は増してゆくものと思われます。
回答者
福島県立医科大学 甲状腺・内分泌センター センター長
横谷 進
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