先天性風疹症候群
風疹の流行時に妊娠しましたが、幸いに生まれた子は五体満足です。生後3日ですが、白内障や聴力障害、心臓病のことはもう少し様子を見ないとわからないといわれ不安です。内臓や器官の異常は、いつごろ、どうやってわかるのですか。
女性/30代
2021/12/21
先天性風疹症候群についてのご心配だと思います。先天性風疹症候群は、それまで風疹にかかったことがない妊婦さんが妊娠初期(3か月以内)に風疹にかかったときに胎児に起こることがある病気です。
もし妊婦さんが以前に風疹にかかったことがあれば、その心配はまったくありません。その場合、風疹の抗体が妊娠初期までの検査で、すでに陽性のはずです。
また、風疹の予防注射を受けている場合も安全です。現在、風疹の予防接種は麻疹との混合ワクチン(MRワクチン)を第1期(生後12か月~24か月未満)、第2期(小学校に就学する前の1年間)の2回行うことになっています。
このようなことを考慮のうえでもやはり先天性風疹症候群の可能性が残れば、出生した赤ちゃんの検査を行うことがすすめられます。まず、血液検査で風疹IgM抗体というものを測定して、陽性であれば母体内での感染が疑われるので、先天性風疹症候群の可能性があります。先天性風疹症候群の場合、その症状があるかどうかは、生後3日でもかなりのことがわかります。白内障などの目の異常については眼科でていねいに診てもらうこと、聴力障害については、脳波聴検(ABR)で調べてもらうこと、心臓病(動脈管開存症など)については超音波検査を施行してもらうことが大切です。これらの検査の結果が正常であれば、安心できます。
回答者
福島県立医科大学 甲状腺・内分泌センター センター長
横谷 進
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