高LDL&尿たんぱくで再検査に。どんな病気が考えられる?
10月に仕事場で健康診断があり、その結果が出たのですが、再検査を受けるように書かれていました。悪玉コレステロール値が高く、尿にたんぱくが出ているようですが、どんな病気が考えられますか? 私はかなり肥満です。
女性/40代
2022/01/30
健康診断で再検査が必要という結果が出ると、病気なのではないかと心配になられるお気持ち、とてもよくわかります。
再検査が必要なことは、必ずしも病気ということではありません。
健康診断は生活習慣病やその他の病気の早期発見や予防が目的です。自分では自覚できないような所見やからだの変化を確認することができます。
コレステロールは、からだの組織や生命の維持に必要な物質の原料となるなど、重要な役割を果たしています。細胞の1つひとつは細胞膜で覆われていますが、コレステロールが材料として使われています。コレステロールが減ると、血管や組織が脆くなり、脳出血も起こりやすくなります。また、皮膚の保湿や老化防止にもひと役買っていますし、体内の代謝にかかわる各種ホルモンもコレステロールを原料にしています。
このようにコレステロールはからだにとって必要不可欠なものですが、増えすぎた状態が長年つづくと、自然な加齢現象よりも早く血管が硬くなったり、血管の内側の壁が狭くなり、血液が流れにくくなる可能性が出てきます。
動脈硬化疾患予防ガイドラインによるとLDL(悪玉)コレステロール140mg/dL以上、HDL(善玉)コレステロール40mg/dL未満、中性脂肪150mg/dL以上のいずれかに該当する場合を脂質異常症といいます。
一般的にLDLコレステロールが高い場合、脳梗塞や心筋梗塞などの病気の予防のためには、食事と運動療法を3~6カ月くらいつづけ、再検査を受けてLDLコレステロール値が160mg/dL以下にならない場合、医師がその方の状態に応じた薬物治療を始めます。
生活面の留意点は、下記の通りです。
① 毎日30分以上を目標に歩きます(1週間で3時間以上を目標に)。すきま時間を利用して1回10分間ほどでもよく、階段の上り下りや1駅手前から歩くのもよいです。
② 体重が多めの場合は、標準体重に近づけるように心がけます。
③ 肉の脂身、卵黄などの摂取を抑え、乳製品は低脂肪のものを選び、て、魚や大豆製品、野菜、果物、海藻などの摂取を増やします。
④ 野菜類を先に食べるなど、食べる順序を工夫します。1日に生野菜なら両手に山盛りいっぱい、加熱した野菜なら片手にいっぱいが目安。海藻、キノコ類もコレステロールを下げる働きがあります。
健康診断などの尿検査は、腎臓や尿路の状態を確認するために行われます。尿たんぱくが出たら病気ではなく、病気の有無を確認するために再検査の指示が出るのが一般的です。
病気以外で尿たんぱくの出やすい日常の要因は、以下のものです。
(1) たんぱく質の多い食事を続けている
(2) 検査前に激しい運動をした
(3) 検査前に強い興奮や感動などがあった
(4) 過剰なストレスを抱えている
(5) 38℃以上の高熱が出た
(6) 妊娠中である
(7) 便秘がひどい
などです。これらの状態が改善すれば、尿の状態も改善されることが多いです。
ご相談者は、再検査の指示通りの時期に内科で再検査を受けられることをおすすめします。 結果に問題がなく、これからも体調を整えて過ごされることを願っております。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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