Question

数年来治らない手の平や指の水疱とかゆみ

何年も前から手の平や指に水泡ができ、かゆくてたまらないので皮膚科を受診しました。何軒もかかってみましたが、一向に回復しません。原因は、汗がたまって皮膚からでないため、水疱ができてかゆくなるということらしいのですが、何もしなくても良くなったり、急に水疱が出たりをくり返しています。料理をしていても、かゆくて手袋をしないといられなくなることもあります。この先ずっと治らないのでしょうか? 手を切ってしまいたくなるときもあるほど煩わしいです。よい対処法を教えてください!

女性/20代

2022/01/28

Answer

手を切りたくなるほどつらい症状とのこと、文面からご相談者の苦痛が伝わってきました。

手の平や指に水疱ができ、かゆみが強いのですね。


女性、特に洗剤を使って水仕事をする機会の多い主婦は、多くの方が手のスキントラブルで悩まれています。


皮膚表面の角質には、皮脂と水分からなる膜があり、外部の刺激から皮膚を守る働き(バリア機能)をもっています。この膜の成分は皮脂で、これが不足するとスキントラブルの原因となります。


指や手の平は、外部からの刺激を受けにくいよう、角質層は厚くなっていますが、皮脂をつくり出す皮脂腺(脂腺)がないため、水仕事などで潤いが損なわれ、そこに洗剤などの刺激が加わると、皮膚の表面が荒れて、しっしんやかゆみ、水疱などの炎症が起きます。


一度荒れてしまった皮膚はバリア機能がさらに弱まるので、シャンプーや石けん、食品などでも刺激を受け、治りにくくなったり、症状をくり返す傾向があります。


このように、手に表れるトラブル全般を総称して「手湿疹」といいます。


手湿疹の治療には、1.荒れた皮膚を整えること、2.トラブルがない皮膚と症状が治まった後の皮膚が再び荒れないように予防すること、が重要です。


それぞれのケアのポイントは下記の通りです。


1. 荒れた皮膚を整える方法

皮膚の潤いを補うための保湿剤を、症状が強い場合にはステロイド外用薬を併用します。

医師から具体的な指示がなければ、薬を使用する回数に制限はありません。

ときどきたくさん塗るよりも、少量でもこまめに薬を塗ったほうが効果的だといわれています。塗るときは皮膚への負担を減らすため、擦り込まず、やさしくなでるようにのばして下さい。また、入浴の際に荒れた手をお湯の中に入れると、ふやけてさらに肌荒れが悪化するため、湯舟に長く手を浸すことは避けましょう。


2.トラブルのない皮膚や荒れが治った箇所の炎症の予防法

洗剤や漂白剤など、家事用化学薬品を素手で扱わないことが重要です。

ビニール手袋を使用する際は、手袋の下に木綿の手袋を重ねると、手袋の中で手が蒸れず、皮膚へのダメージが軽減できます。

手を洗った後や水仕事の後は、時間を空けずに保湿剤(ハンドクリーム)を使用しましょう。皮膚が荒れやすい人は、紙や衣類、寝具を触っているだけで皮膚がこすれ、乾燥して荒れやすくなります。家事の際は、手荒れ予防に効果のある木綿の手袋を着用することをおすすめします。


手湿疹に似た症状で、手の水虫や掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)などの皮膚病もあるため、症状が再び表れたり、症状が悪化する場合には、皮膚科専門医を受診されることをおすすめします。専門医であれば、手湿疹と皮膚病との鑑別は容易です。


手湿疹は治らない病気ではありませんが、進行性の皮膚炎であるため、症状が悪化すればするほど治るのに長い時間を要します。

早めに受診し、適切な治療を開始することが大切です。


ご相談者の症状が一日も早く改善することを願っております。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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