Question

ロタウイルス感染症について

乳幼児がかかりやすいロタウイルス感染症はどんな病気ですか?

女性/30代

2021/12/21

Answer

ロタウイルス感染症は0歳から6歳ごろの子どもに多くみられる病気で、腸に感染したロタウイルスにより急性胃腸炎を引き起こします。ロタウイルスは感染力が非常に強いため、わずかなウイルス量でも感染し、5歳までにほぼすべての子どもが感染するとされています。


乳幼児が感染すると激しい症状が出ることが多く、嘔吐、下痢、発熱、腹痛などの症状がみられ、脱水症を起こしやすくなります。特に初めての感染時は症状が強く出るといわれますが、くり返しかかるうちに症状は軽くなります。


ロタウイルスに有効な抗ウイルス薬はなく、かかった場合は十分な水分補給を行い、脱水症に注意しながら自然に回復するのを待ちます。脱水症状が激しい場合は、点滴治療や入院が必要になることもあります。また、頻度はまれですが、けいれん、肝機能障害、腎不全、脳症などの合併症を起こすこともあります。


ほとんどの場合、症状は1週間ほどで回復します。ただし、回復後1週間程度は多量のウイルスが便中に排泄されます。そのため、おむつは適切に処理し、おむつ替えのあとはよく手を洗うことが大切です。嘔吐物や下痢便が付着した衣類などは、ウイルスに汚染されているため、次亜塩素酸系の消毒剤を使って消毒する必要があります。


重症化を予防するにはワクチン接種が有効で、ロタウイルスワクチンは2020年10月から定期接種となっています。日本で受けられるロタウイルスワクチンは、1価ロタウイルスワクチン(1種類の弱毒化したロタウイルスを含む)と5価ロタウイルスワクチン(5種類の弱毒化したロタウイルスを含む)の2種類です。


有効性に差はありませんが、1価ロタウイルスワクチンは2回、5価ロタウイルスワクチンは3回と接種回数が異なります。初回接種が推奨される接種期間はどちらも、生後2か月から生後14週6日までで、安全面から生後15週0日を過ぎてからの接種はすすめられていません。


その後、1価ロタウイルスワクチンは生後24週0日までに2回目の接種を、5価ロタウイルスワクチンは生後32週0日までに2、3回目の接種を、いずれも27日以上の間隔を空けて行います。接種可能な期間が限られているため、接種時期が来たら早めに受けるようにしましょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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