Question
ピロリ菌の除菌効果を判定する検査は
ピロリ菌の除菌治療をしました。治療後に除菌が成功したかの判定には、どのような検査を行いますか。
男性/50代
2022/01/28
Answer
日本ヘリコバクター学会作成の『H. pylori 感染の診断と治療のガイドライン2016 改訂版』では、除菌治療後の検査には、尿素呼気試験(UBT)と便中抗原測定が有用であることが記載されています。
尿素呼気試験は、まず専用の袋に息を吐いて入れ、検査薬の尿素を飲んだ後、再び別の袋に息を吐いて入れます。簡単な検査で結果はすぐにわかります。便中抗原測定は、便を採取してH.pylori抗原を調べる検査です。
除菌の結果を正しく知るには、検査を行う時期も重要です。上記ガイドラインでは、除菌治療薬中止後4週以降に除菌判定を行うよう推奨しています。あまり早いと偽陰性や偽陽性が出る可能性があるためで、除菌治療終了3カ月以降に行うことが望ましいとの報告もあります。
さらにガイドラインでは、除菌判定について感度・特異度が100%の検査が存在しないことから、複数の診断法を用いることで厳密な除菌判定が可能になる、としています。よって、ひとつの検査で陰性となった場合でも、ほかの検査で確認することがすすめられます。
検査方法によっては、除菌判定前にプロトンポンプ阻害剤(PPI)を服用していると、30~40%に偽陰性になることがあり、除菌判定前には一定期間のPPI休薬が必要です。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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