日本脳炎の予防接種について
日本脳炎の予防接種について、標準的な接種スケジュールを教えてください。また、積極的勧奨が差し控えられた時期があったと聞いています。この期間にワクチンを接種できなかった人はどうすればよいでしょうか。
女性/30代
2021/12/21
日本脳炎は、日本脳炎ウイルスの感染によっておこる感染症です。ブタの体内でウイルスが増幅され、コガタアカイエカ(水田等に発生する蚊の一種)を介してヒトに感染します。ヒトからヒトへの感染の報告はなく多くは無症状ですみますが、脳炎を発症した場合は20~40%が死亡に至るともいわれ、幼小児や老人ではよりリスクが大きくなります。
日本脳炎は定期接種の対象となっています。以前は発生状況等を検討して、予防接種を行う必要がないと認められる地域を都道府県知事が指定することができるようになっていました。そのため、北海道だけが定期接種から外されていた時期がありましたが、2016年からは定期接種になっています。
現在の標準的な接種スケジュールは、1期接種が初回接種を3歳~4歳の期間に6~28日までの間隔をおいて2回、追加接種については2回目の接種を行ってから概ね1年を経過した時期に1回の接種を行います。2期接種は9歳~10歳までの期間に1回の接種を行います。
ワクチン接種による重症ADEM※を発生した事例があったため、2005年から日本脳炎ワクチン接種の積極的勧奨が差し控えられていましたが、2010年度からは順次年齢幅を変えて積極的勧奨が再開されています。積極的勧奨の差し控えにより接種を受ける機会を逃した「特例対象者」に該当する人は、定期接種としてワクチン接種を受けることが可能です。詳しくは、お住まいの自治体にお問い合わせください。
※ADEM(急性散在性脳脊髄炎):発熱、頭痛、けいれん、運動障害等の症状が現れる。ステロイド剤等での治療で多くは正常に回復するが、運動障害や脳波異常などの神経系の後遺症が10%程度あるといわれている。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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