Question

予定が埋まらないと不安

仕事で忙しい毎日を送っていますが、仕事の後や休日にゆっくり休みたいと思ったことがありません。仕事関係の本を読んだり、友人と会ったり、趣味を楽しんだり、何かしら予定を埋めておかないと、不安になってしまうのです。でも、十分に休んでいないため疲労がたまり、このままでは体調を崩すのではと心配です。それでも予定を入れることをやめられず、どうしたらいいのかわからずに困っています。)

男性/30代

2021/12/21

Answer

「忙しくしていないと、なんだか落ち着かない」という人は意外に多いものです。次々に予定を入れることで充実感を抱いてしまい、スケジュールが一杯になっていることに、人から指摘されて初めて気づくという人もいるでしょう。こうした状態にある人を、最近は「隙間不安症候群」と呼ぶこともあるようです。ここでいう「隙間」とはスケジュールが空いていている状態のこと。カレンダーに空白があると不安になり、びっしりと予定が埋まることで安心感を得るというのが特徴です。言うまでもなく、こうした生活を送り続ければ、いつかは疲れ果て、あげくは倒れてしまうことにさえなります。あなたがそうなる前に気づけたことは、とても重要なことだと思います。


なぜ「予定が埋まっていないと落ち着かない」のか、考えてみましょう。仕事に限っていえば、空白の時間があることで、「自分は仕事をしていないのではないか」、「これでは人に後れをとってしまう」といった不安につながっていると考えられます。一方で、仕事以外の時間もすべて埋めようとするのは、孤独感や寂しさを満たしているのかもしれません。「忙しい」という苦しさよりも、「自分は何もすることがない」という虚しさのほうが勝っていて、そこから逃れるため、無理して予定を入れている可能性があります。これでは「予定を入れる」ことが目標になり、入れる必要がないかもしれない予定に生活が支配され、本当にやりたいことができない状況に陥ってしまいます。予定を入れる前に「それは疲れていても、絶対にやりたいことなのか」と、自分に問い直すことが必要かもしれません。


一方で、休日にやりたいことがあり、会いたいと思う人がいることは、私生活が充実しているという意味でとてもすばらしいことです。したいことのすべてをやめるのではなく、最初は月に一日でいいので、空白の日を作ってみてください。おそらく、その日ができることによって、ほかの日がこれまで以上に充実したものに感じられるようになると思います。


「休む」ことは、からだをいたわるための大切な時間であり、行動でもあります。「休む」=「無意味」と考え、「何もしない」ことに罪悪感を抱く人もいますが、「何もしないこと」の価値は、忙しいあなただからこそ実感することができるはずです。スケジュールに空きができたら、「あえて何もしない」ことをする日、と位置づけてみてはいかがでしょうか。「休むことも、自分のための大切な予定だ」と思えるようになれば、スケジュール表に気兼ねなく「休養」と書き込める日が、きっと訪れるでしょう。そうなれば、仕事にも余裕ができ、生活にもゆとりが生まれてくると思います。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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