不安や気になることがあると動悸がする

不調なのに何の手立てもないまま不安や悩みを抱えて過ごすことは、精神的にもつらく、日常生活を楽しむ余裕すら奪われてしまうのではないかと心配です。まず、受診すべきか否かを一緒に考えていきましょう。

身体疾患がなく、激しい運動もしていないのに、動悸や息苦しさがあるというのはストレス過多などの精神的な影響が考えられます。まずは日頃の生活を振り返って、このような不調が現れたのはいつごろであったか、心身ともに健やかに過ごせていたときと比べて、何か異なっている部分がないかを思い浮かべてください。かつてと現在を比べたときに、「仕事の難易度が上がってプレッシャーを感じている」「ストレスが増えた」「残業で帰宅が遅くなり、睡眠時間が減った」「心身の疲れが蓄積している」ということはありませんか。もし思い当たることがあるなら、一つひとつ対応していきましょう。

とくに、睡眠時間が不足すると心身の疲労が解消されず、雪だるま方式に蓄積されてゆくことによって、体内の健康バランスを保つことがむずかしくなります。このストレスや疲労に気付いていれば「ゆっくり休もう、リラックスした時間を過ごそう」等の手当てができますが、気付くことなくそのままにしていると、今あなたが悩んでいるような心身不調として現れてくることがあるのです。そのため、まずは心身不調をからだの発するサインと受け止めて、生活全般を見直してみましょう。

一方、「思い当たることはない」「睡眠時間や気分転換の見直しをしてもおさまりそうもない」「心身不調が2週間以上続いていて、その不調も徐々に悪くなっている」「仕事や日常生活に支障が出ている」などのような状態に当てはまるのであれば、心療内科や精神科といったメンタルクリニックを受診したほうがよいでしょう。受診する場合の注意事項ですが、メンタルクリニックの多くは予約制での診察になります。ですから、いざ受診したいと思っても、すぐ診察を受けられるとは限りません。見過ごせない心身不調が続くようであれば、我慢せずに早めに医療機関へご相談ください。