風疹ウイルス抗体検査

最終編集日:2022/7/29

風疹ウイルスに対して抗体をもっていれば風疹にかかることはほぼありません。しかし、抗体がなかったり、十分な量ではなかったりすると風疹にかかる可能性があります。抗体をどのくらいもっているかを知るために行われるのが、風疹ウイルス抗体検査です。
妊娠初期に風疹に感染すると胎児に感染し、流産や死産、先天性風疹症候群をひき起こすことがあるため、妊娠を考えている人はあらかじめこの検査を受けておくことがすすめられます。風疹は感染力がとても強いため、家族や周りの人も妊婦にうつさないように、抗体の有無を調べておくと安心です。


検査でわかること

風疹抗体検査にはいくつかの方法がありますが、おもに行われているのがHI法とEIA法です。いずれも採血をして抗体価を調べます。それにより、「十分な免疫を保有していると考えられる」、「免疫はあるが感染予防には不十分」、「免疫を保有していない」がわかります。「十分な免疫を保有していると考えられる」とわかれば風疹の予防接種は基本的に必要ではありませんが、「免疫を保有していない」あるいは「免疫はあるが感染予防には不十分」であるときはワクチン接種が推奨されます。


基準値

HI法 Hemagglutination Inhibition test (赤血球凝集抑制法)
・32倍以上:十分な免疫を保有している
・8倍・16倍:免疫はあるが感染予防には不十分
・8倍未満:免疫を保有していない


EIA法 Enzyme Immunoassay (酵素抗体法)
・陽性(EIA価8.0以上 または国際単位①30 IU/mL以上、国際単位②45 IU/mL以上)
十分な免疫を保有していると考えられる
・陽性(EIA価8.0未満 または国際単位①30 IU/mL未満、国際単位②45 IU/mL未満)
免疫はあるが感染予防には不十分
・陰性 または判定保留
免疫を保有していない
(厚生労働省「予防接種が推奨される風しん抗体価について」)

監修

寺下医学事務所 医学博士

寺下謙三

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