急性アルコール中毒

きゅうせいあるこーるちゅうどく

最終編集日:2023/2/6

概要

急激に大量に摂取したアルコールによって引き起こされる中毒症状を指します。通常、血中アルコール濃度が0.3%を超えると泥酔期、0.4%を超えると昏睡期とされ死亡するケースもある危険な状態になります。死亡には至らなくとも、足元のふらつきなどによって転倒する、電車や車にひかれる、海や川で溺れる、もうろう状態で行った言動によってトラブルに巻き込まれるなど、さまざまな危険性が高まります。

2019年の急性アルコール中毒による救急搬送数は、1万8000人以上と発表されています。

原因

短時間に大量のアルコールを摂取することが原因です。大量の飲酒で肝臓でのアルコールの分解が追いつかなくなり、血中アルコール濃度が高くなることで中毒症状が現れます。

急性アルコール中毒になりやすい人として、若年者、高齢者、女性、お酒を飲むと顔が赤くなる人などが挙げられます。

症状

泥酔期では真っすぐ立てない・歩けない、嘔吐をくり返す、言葉が意味をなさない、意識がもうろうとしている、記憶が抜け落ちるなどの症状が現れます。昏睡期では意識を失って呼びかけに応えない、呼吸回数の減少、失禁、低体温などの症状が現れます。アルコールが脳を侵す範囲を徐々に広げるために、まず運動機能が低下し(千鳥足、立てないなど)、次に記憶や思考ができなくなり、最終的には延髄まで侵されて、呼吸ができない状態になります。

検査・診断

呼気や体臭にアルコール臭が認められ、上記のようなアルコール中毒を示す症状が確認できたら、急性アルコール中毒を疑い、血中アルコール濃度の測定を行います。そのほか、血圧、呼吸数、脈拍などから、全身状態をチェックします。

治療

吐瀉物での窒息を防ぐために横臥位にし、気道を確保して、からだを温めます。生理食塩水や電解質輸液の点滴、可能なら水を飲ませるなどで、体内のアルコール濃度を下げる治療を行います。尿道バルーンカテーテルを挿入して、排泄を確保します。

重症の場合は、呼吸を管理するために、気管挿管などが必要になることもあります。

低血圧、脱水、転倒による外傷などがある場合は、その治療も行われます。


●救急対応の仕方

お酒を飲んでいて次のような症状が現れたら、急性アルコール中毒を疑って、すぐに救急車を呼びましょう。

意識がない(呼びかけに応えない、揺り動かしても反応しない)/からだが冷たい/嘔吐している/口から泡を吹いている/呼吸がリズミカルでない

救急車を待つ間は1人にしておかず、必ずだれかが見守ります。顔を横向けにして下あごを前に出す形にして寝かせ、回復体位をとり、衣服を緩めます。嘔吐するときはその姿勢のまま吐かせます。毛布などをかけて保温し、意識があれば水分(水、スポーツドリンクなど)を飲ませます。

セルフケア

予防

急性アルコール中毒を防ぐためには、①自分の適量を知って、体調にあわせて飲む、②一気飲みをしない、③適度に食べながら、水や炭酸水をとりながら飲む、などを心がけましょう。そして、決して人に無理強いしないこと、無理にすすめられても断ることも大切です。

監修

昭和大学 医学部脳神経外科 名誉教授

藤本 司

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