視神経炎

ししんけいえん

最終編集日:2023/1/23

概要

目から得た情報を脳に伝える視神経が炎症を起こしている状態です。原因はさまざまで、別の病気が引き金になることも多く、発症すると視力や視野の障害が生じます。片目だけに症状が現れる場合もあります。原因不明の特発性視神経炎は20~50代の女性に比較的多いとされています。

通常、視神経炎のほとんどは回復が可能ですが、発症の原因によっては後遺症が残ったり失明したりする危険性もあります。

原因

視神経炎は多様な原因が考えられます。よくみられるのは、多発性硬化症という脳や脊髄、視神経といった神経組織が障害される難病によるものです。髄膜炎、副鼻腔炎、梅毒、遺伝、血管障害、腫瘍や動脈瘤などによる圧迫、薬やシンナー、農薬などによる中毒、交通事故などで額を強打したときの外傷も原因となります。そのほか、原因不明の場合もあります。

症状

原因によって異なりますが、急激な視力の低下、中心部分が暗くて見えにくい中心暗点、眼球を動かすと痛いなどの症状が出現します。色の区別がしづらいことや、光のちらつきがわかりにくい場合もあります。多発性硬化症では手足のしびれなど、原因疾患による症状も生じます。本来、からだを外敵から守る役割をする抗体が視神経などの中枢神経に炎症を起こす難病の神経脊髄炎によるもの(抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎)は重症化しやすく、失明や呼吸不全などの重い後遺症を残す場合があります。

検査・診断

視力検査や視野検査、眼底検査、中心フリッカー検査、色覚検査など、視力や視野、視神経の状態を調べる検査が中心となります。視神経炎によく似た症状の病気も多いため、MRI検査、血液検査などを行う場合もあります。

治療

症状や炎症の程度などにもよりますが、特発性視神経炎は経過観察にて自然回復をめざすことが可能です。早期回復をしたいときや多発性硬化症が原因の場合などは、炎症を抑えるステロイドを大量に短期間投与するステロイドパルス療法による入院治療を行います。ステロイドパルス療法で改善できない場合などは、血液中の原因物質を取り除く血漿交換療法が検討されます。

セルフケア

病後

特発性視神経炎は一過性のものですが、多発性硬化症による視神経炎は回復しても再発をくり返す可能性があります。急激な視力の低下、中心だけ見えづらい、目を動かすと痛いといった症状がみられたら速やかに医療機関を受診しましょう。

監修

井上眼科病院 院長

井上賢治

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