圧迫性視神経症
あっぱくせいししんけいしょう

最終編集日:2022/4/7

概要

眼球内部の網膜に集まった光は像を結び、視神経と呼ばれる神経を通って脳へと運ばれ、情報として認識されます。圧迫性視神経症とは、眼球と脳をつなぐ視神経が、頭蓋骨内や眼窩内(がんか:眼球が入っている場所)で何らかの圧迫を受けた結果、視力の低下や視野が狭くなるなどの視野障害が現れます。視神経への圧迫をとり去ることで、症状の改善が期待できます。

原因

副鼻腔、脳、眼窩の腫瘍や、脳動脈瘤が視神経を圧迫することによって起こるほか、副鼻腔内の病変(蓄膿、悪性腫瘍など)、甲状腺機能異常に伴うものなどさまざまです。

症状

一般には片目に起こりやすく、視神経が圧迫されることで視力が低下したり、視野が狭くなったりするなどの視覚障害が現れます。痛みはみられず、多くは数カ月間にわたって緩やかに進行します。

眼窩内の腫瘍では、眼球突出がみられることもあります。視神経への圧迫が長期にわたると、視機能が回復しない場合があります。


検査・診断

CT検査やMRI検査、MRA検査(MRアンジオグラフィ)、脳血管造影検査などの画像検査、視力検査や視野検査が行われます。圧迫が長期にわたると、視神経が徐々に萎縮するため、眼底検査も行われます。また、光に対しての瞳孔の反応に左右差があるかどうかの確認をすることも重要です。

治療

腫瘍の場合は基本的には手術が原則となり、脳外科や耳鼻科などと連携した治療が必要となります。

セルフケア

予防

片目のみに障害が現れやすく症状を自覚しにくいため、片目を閉じて見えにくいような場合は、早期に眼科を受診することが大切です。

監修

井上眼科病院 院長

井上賢治

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