オスグッド・シュラッター病
おすぐっど・しゅらったーびょう

最終編集日:2022/5/16

概要

オスグッド・シュラッター病(オスグッド病)は、スポーツを活発に行う発育期の男児に発症することが多い病気です。とくにサッカーなどのひざに負担がかかるスポーツなどで発症し、ひざのお皿(膝蓋骨)の下にある脛骨粗面(けいこつそめん)、つまり脛骨の結節部が炎症を起こし、徐々に隆起して痛みが生じます。

オスグッド・シュラッター病は成長期を過ぎ、骨の成長が終われば改善していきます。しかし、一時的にスポーツをやめて治療をしないと十分に治らないことが多いのがこの病気の特徴です。


原因

原因は、ひざに慢性的な運動負荷がかかることが挙げられます。成長期には急激に骨が成長します。しかし、周囲の筋肉や腱の成長が骨の成長に追いつかず、バランスが悪い状態になっていることがあります。また、子どもの脛骨粗面は軟骨で構成されており、硬い骨に成長する途中のため、外からの力に弱いことも原因のひとつです。

脛骨粗面はひざの曲げ伸ばしにかかわる大腿四頭筋という太ももの筋肉につながっていて、ジャンプやダッシュ、キックといったひざに負荷がかかる動きをくり返し行っていると、脛骨粗面が大腿四頭筋に強い力で引っ張られ、軟骨の一部が剥がれたり、炎症を起こしたりしてしまうのです。


症状

脛骨粗面が突き出て、ひざを動かしたときなどに痛みを伴います。一般的に、運動をするとひざの痛みが増す傾向にあります。また、脛骨粗面周辺が赤くなったり、熱っぽくなったりする場合もあります。進行するまで放置してしまうと、痛みは長期におよび、スポーツ復帰後も違和感が残存することがあります。

検査・診断

オスグッド・シュラッター病は、問診や視診、触診によって、脛骨粗面の隆起など膝関節の状態や症状を確認することで、ある程度診断が可能です。外傷や関節炎など別の疾患が疑われる場合や症状がひどい場合は、X線などによる画像検査を行います。

治療

痛みに応じて貼付薬、外用液、内服薬などの痛み止めを使用しますが、早期にスポーツ活動を休止し、ひざに負担をかけないようにすることが第一です。このほかの治療法としては、ひざサポーターの装着、超音波などによる物理療法、大腿四頭筋のストレッチをはじめとするリハビリテーションなどがあります。こうした保存的療法で多くの場合は回復します。

なお、隆起によって剥離した骨の一部が残ってしまうことで症状が慢性化することがあり、その場合は、骨片を取り除く手術が検討されます。


セルフケア

予防

運動前には十分なウォーミングアップを行い、しっかりとストレッチを行いましょう。大腿四頭筋のストレッチはあまり反動をつけずにゆっくりと行ってください。

監修

東馬込しば整形外科 院長

柴 伸昌

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