横隔膜ヘルニア

おうかくまくへるにあ

最終編集日:2022/3/17

概要

胸と腹を分けている横隔膜の薄い部分に穴があき、本来、腹のなかにあるべき腸管、胃、肝臓などさまざまな臓器が横隔膜の上側に飛び出した状態が横隔膜ヘルニアです。

先天性と後天性があり、先天性横隔膜ヘルニアは国指定の難病です。その発症率は2000~5000人に1人といわれています。

横隔膜ヘルニアには、食道裂孔ヘルニア、ボホダレクヘルニア、モルガニヘルニア、外傷性ヘルニアがあり、成人のヘルニアの8〜9割が食道裂孔ヘルニアです。


原因

食道裂孔ヘルニアは、肥満や加齢とともに背中が曲がった状態などの影響で発症します。高齢女性に多いのが特徴です。

ボホダレクヘルニア、モルガニヘルニアは先天性です。胎児のときから横隔膜に穴が開いているため、肺がほかの臓器に圧迫されて成長が妨げられたことが原因になります。

外傷性ヘルニアは事故や転落、転倒などによる横隔膜の損傷が原因です。


症状

先天性横隔膜ヘルニア(ボホダレクヘルニア、モルガニヘルニア)は出生直後から重度の呼吸困難、高度のチアノーゼなどの呼吸障害が起こります。胸部はたる状にふくらみ、腹部はへこみます。

後天性横隔膜ヘルニア(食道裂孔ヘルニア、外傷性ヘルニア)では、胸やけ、腹痛、飲み込みにくい、鉄欠乏性貧血などの症状がみられます。


検査・診断

先天性横隔膜ヘルニアは妊娠中に判明します。合併症や重症度を調べるために、MRI検査や染色体検査を行います。後天性の食道裂孔ヘルニアで何らかの症状を伴う場合には、内視鏡検査、胸部CT検査などでヘルニアの有無を調べます。

治療

食道裂孔ヘルニアでは、ヘルニアが見つかっても、症状がなければ治療を行う必要がない場合もあります。ただし、逆流性食道炎の症状がある人では、胃酸を抑える薬の服用や手術が行われることがあります。

そのほかのヘルニアは、横隔膜裂孔をふさぎ、臓器の位置をもとにもどす手術を実施する場合もあります。


セルフケア

予防

胸やけやのどの不快感、胸痛といった逆流性食道炎の症状は、食道裂孔ヘルニアでもみられます。こうした症状があった際は胃内視鏡(胃カメラ)が必要な場合もありますので、消化器内科を受診するとよいでしょう。高齢者では細菌感染や誤嚥、転倒などに日ごろから気をつけることも大切です。

監修

千葉大学病院 呼吸器内科 特任教授

巽浩一郎

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