縦隔腫瘍
じゅうかくしゅよう

最終編集日:2022/3/17

概要

縦隔とは左右の肺の間にある空間のことです。縦隔には心臓、大動脈、食道、気管、胸腺、リンパ管、リンパ節などの臓器があり、これらの臓器に発生した腫瘍の総称が縦隔腫瘍です。

発症は子どもから高齢者まで幅広く、多くは良性ですが、悪性も存在するので治療は腫瘍の種類、症状にあわせて行われています。


原因

明らかな原因はわかっていません。先天性のケースもあるといわれています。ちなみに縦隔腫瘍でもっとも多いのは胸腺腫になります。

症状

通常は無症状のケースが多く、進行すると炎症を起こしたり、周囲の臓器を圧迫したりします。また悪性腫瘍で周囲への浸潤(しみ込むように広がる)があると、胸の圧迫感、痛み、息苦しさ、せき、声のかすれ、発熱などの症状が現れます。

縦隔腫瘍
縦隔腫瘍

検査・診断

多くの臓器が集まっている部分にできる腫瘍のため、胸部X線検査だけでは早期発見はむずかしいと考えられます。検査方法としては、胸部X線検査に加え、胸部CT検査、胸部MRI検査などを組み合わせた画像診断が行われます。

PET検査、腫瘍マーカー検査などを組み合わせる場合もあります。

治療方針を決めるため、外部から針を刺して組織を採取し、顕微鏡によって病理診断を行うこともあります。


治療

腫瘍の種類と、その広がりなど、それぞれのケースによって最適な治療法は異なりますが、良性、悪性にかかわらず、手術による摘出が基本になります。

腫瘍が早期で小さい場合は、内視鏡手術を行う場合もあります。

切除できない場合は、放射線治療や抗がん剤治療をあわせた治療が行われます。


セルフケア

予防

明らかな原因がわかっていないため、予防はなかなかむずしいのが現状です。そのため、できるだけ早期発見することが大切です。健康診断で偶然発見される場合が多いため、胸部に違和感があったらなるべく早く医療機関を受診しましょう。



監修

千葉大学病院 呼吸器内科 特任教授

巽浩一郎

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