骨髄炎

こつずいえん

最終編集日:2023/5/23

概要

骨髄は骨の中心部にあり、白血球・赤血球・血小板などの血液細胞をつくる役割をもっています。骨髄に細菌感染による炎症が起きたものが骨髄炎で、急性と慢性に分けられます。

原因

原因菌として黄色ブドウ球菌がもっとも頻度が高く、そのほかグラム陰性桿菌(かんきん)、溶連菌、腸内細菌などが挙げられます。真菌が原因となることもあります。

菌への感染は、歯科治療、肺炎、尿路感染症、感染性心内膜炎、外傷、異物(人工股関節、カテーテル留置など)、糖尿病による足の潰瘍などによってひきおこされます。

症状

急性骨髄炎は、発熱、感染部位の発赤、腫れ、熱感、痛み、膿瘍(うみをもつ)が現れます。感染部位としては、上腕骨、大腿骨、椎骨に好発します。時間の経過とともに、感染した骨の部分に圧痛、熱感、腫れ、動かすと痛むなどの症状が起こります。

慢性骨髄炎は、急性骨髄炎が完治しなかった場合に起こります。長い間、無症状あるいは軽度の腫れや痛みで経過し、数カ月から数年経ってから感染した部分の骨の痛み、骨の壊死(腐骨)や異常な骨形成による皮膚の凹凸、皮膚からの排膿などが起きてきます。

検査・診断

血液検査で炎症の状態を調べ、X線検査とMRI検査で病巣部の骨の破壊の状態、病巣の広がり、周辺の軟部組織の変化などを診断します。原因菌同定のために、血液やうみ、あるいは感染部位の組織を採取する生検によって、培養検査を行います。菌が特定できたら、抗菌薬の薬剤感受性検査(効果が見込める抗菌薬を絞り込む)も行います。

骨髄炎の診断にあたっては、ユーイング肉腫、骨肉腫などの悪性腫瘍との鑑別も必要です。

治療

抗菌薬による治療が基本で原因菌にあわせた抗菌薬が選択されます。急性の場合は炎症の程度を評価するCRP検査などを参考に炎症が落ち着くまで点滴投与がつづけられ、以降は経口抗菌薬を1~2カ月服用するのが一般的です。対症療法として鎮痛薬なども用います。

病巣が化膿している場合は、切開して排膿します。組織の壊死が起きていたら、病巣掻爬(そうは)によって壊死した組織を切除します。切除が広範囲に及ぶ場合は、骨や関節の再建術が必要になることもあります。そのほか、病巣部を持続的に洗浄する持続灌流(かんりゅう)療法を行うこともあります。

セルフケア

予防

発症予防として、体内に潜む病原体をできるだけ排除し、病原体に対する抵抗力を上げておくことが大切です。

むし歯や水虫などは治療し、ふだんから口腔内や皮膚は清潔に保つように心がけましょう。病原体に対する抵抗力を上げておくことは再発予防にもつながります。糖尿病などの生活習慣病では免疫が低下しやすいので、治療することが大切です。

十分な睡眠と適度な運動、バランスのとれた食事、精神的ストレスの軽減は免疫力向上に有効です。

監修

東馬込しば整形外科 院長

柴伸昌

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