親知らずの抜歯後、1年以上痛みが続くことはありますか？

ご相談者の抜歯後の痛みについて検討しますと、推測にはなりますが、骨髄炎ではない可能性が高いと考えます。おそらく痛みに敏感になっていることが原因のように思われます。

一般的に、歯を抜いたときには大きな穴ができて、骨が露出してしまう「ドライソケット」という状態になります。ドライソケットになると、通常2～3週間は痛みが続きます。治療としては、患部に軟膏を入れるような処置を行いますが、穴に血液がたまるなどで、回復に時間がかかることがあります。 このときに適切に処置が行われず、痛みが長引くことで、神経が過敏になってしまうことがあります。つまり、脳が痛みを覚えてしまい、炎症が治まったあとも痛みが続き、骨髄炎の症状が続いているように感じてしまうということです。とくに下顎の抜歯のときに起こりやすい症状です。

年齢的に若い方のほうが痛みに敏感になることが多いため、症状が強く出やすいかもしれません。

抜歯の痛み以外にも気になる症状がみられると関連づけて考えてしまいがちですが、1年以上経っていますので、抜歯が原因とは考えにくいでしょう。おそらく抜歯による穴はきれいになっているのではないかと思います。

症状からは、歯以外の原因があるかもしれません。顎関節症などでは今回のような症状を起こすこともあります。

また、脳が痛みを感じている可能性が高いため、痛みに気持ちが集中しないように、気分転換を図ることが大切です。

別の医療機関を受診する場合には、今の医療機関より医療情報提供書（紹介状）を持参して意見を伺うのも1つの方法です。上記を参考にしていただき、さらに主治医と相談をしていただくとよいでしょう。