上がり湯は必要? 温泉の効果的な入り方
最終編集日:2023/12/11
温泉には温熱効果やリラックス効果、水圧効果などさまざまなメリットがあります。せっかく温泉に行くのなら、温泉パワーを存分に感じて、身も心もスッキリしたいですよね。そこで、効果的な温泉の入り方をご紹介します。
●出たり入ったりしながらからだを十分に温める
温泉の効用といえば、まず温熱効果です。たっぷりの湯にゆったりつかれば、血管が拡張されて血行がよくなり、からだの芯からポカポカしてきます。さらに、水圧効果でからだをマッサージされるような心地よい刺激を感じたり、浮力効果でからだを軽く感じたりすることも相まって、関節痛や神経痛、腰痛のほか、肩こりや四十肩といった筋肉のこわばりなどが和らいできます。
これらの効果を感じるには、ゆっくりと湯につかることが大事です。ただし、肩までしっかりつかって長湯をするとのぼせてしまうため、5分程度でいったん上がり、ほてりが鎮まったら、また5分入るというように、出たり入ったりするとよいでしょう。みぞおちから下の部分だけが湯につかるようにする「半身浴」なら、10〜20分程度を目安にし、じんわりと汗が出てきたらいったん上がって、少し休みましょう。ゆっくりと湯につかることにより、温泉に含まれるからだによい成分も皮膚から浸透されます。成分によって効能は異なりますが、例えば、美肌効果、傷や皮膚炎の改善、痛みの緩和などが期待できます。
●熱すぎない、ぬるめの湯船に入ってリラックス
温泉には自律神経を調整する効果があります。自律神経には交感神経と副交感神経があり、からだがリラックスするのは副交感神経が優位になったときで、そうなりやすいのは40〜41℃程度のぬるめの湯につかったときです。一方、からだを緊張させたり、興奮させたりする交感神経は熱い湯につかると優位になります。異なる湯温の湯船を複数設置している温泉施設もあるので、リラックスしたいときは熱い湯船は避け、ぬるめの湯船に入りましょう。水圧や浮力効果も心地よいため、湯につかっているとリラックスしてきます。その感覚を楽しみつつ、余計なことは考えず、ぼーっとして湯に身をゆだねましょう。水中でゆっくりと手足を動かしてみるのもおすすめです。
●温泉成分の効果を期待するなら上がり湯はかけない
浴場を出る前に、シャワーの湯を「上がり湯」としてからだにかけている人は少なくありません。きれいな湯をかけてから浴場を出るためと思われますが、上がり湯によって皮膚についている温泉の成分を流してしまうことになります。成分の効果を期待している場合は上がり湯はかけないほうがよいでしょう。ただし、強い刺激やにおいのある成分が入っている温泉(酸性泉、硫黄泉など)の場合は、上がり湯をかけて流しましょう。
●寒い季節の露天風呂はヒートショックに注意
外の景色を見ながら入る露天風呂は温泉の楽しみの1つですが、内湯から寒い屋外に出るときはヒートショックに注意が必要です。なるべく日が暮れる前の、比較的気温が高い時間に入るようにし、1人ではなく同伴者などと一緒に行くようにしましょう。高齢者、動脈硬化や高血圧がある人などは、寒い時期の露天風呂は避けたほうが無難です。
監修
横浜労災病院 勤労者メンタルヘルスセンター長 (学会認定 温泉療法医)
山本晴義
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