食べすぎに注意! ギンナン中毒

最終編集日:2023/11/10

秋が深まり、次第にイチョウが色づき始めてきました。イチョウにはオスの木とメスの木があり、メスの木から秋の味覚であるイチョウの実「ギンナン」が収穫できます。果肉を除き、乾燥させることで、私たちが目にする殻つきギンナンの姿になります。


ギンナンは古くから食べられてきましたが、食べすぎると中毒を起こします。

中毒を起こす原因は長い間不明でしたが、近年、4’-MPN(メトキシピリドキシン)という物質が原因であることが明らかになりました。これは脳の神経伝達物質の生成に重要な役割を持つビタミンB6に似た構造をしているため、摂取すると体内でビタミンB6の働きを阻害し、数時間のうちにビタミンB6欠乏症になることで中毒になると考えられています。


一度に大量に食べると、1〜12時間後に嘔吐、下痢、呼吸困難、けいれんなどを起こすことがあります。90時間以内(半数は24時間以内)に回復するといわれていますが、死亡例もあるので、中毒を疑う症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。


大人は40〜150個、子どもは7〜150個で中毒を起こしたという報告があります(日本中毒センター)。ただし、基礎疾患の有無やビタミンB6の欠乏の程度も関係するため、中毒を起こす可能性のある明確な摂取量は不明です。

メトキシピリドキシンは熱に強いため、調理しても消失することはありません。大人も中毒を起こしますが、特に子どもに多いといわれています。子どもには積極的に与えないことを推奨します。

監修

保健同人フロンティアメディカルチーム

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