LGBTQって？　～性について悩んだときは？

LGBTQとは一般にセクシュアル・マイノリティ（性的少数者）を表す総称の1つです。

・L＝Lesbian／レズビアン（女性同性愛者）

・G＝Gay／ゲイ（男性同性愛者）

・B＝Bisexual／バイセクシャル（両性愛者）

・T＝Transgender／トランスジェンダー（身体的な性別と心が自認する性別が一致しない人）

・Q＝Questioning／クエスチョニング（自らの性のあり方がわからない人、決めていない人、模索中の人）、Queer／クイア（従来の性別の枠に属さない人）

これらの頭文字をとって、「LGBTQ」と呼んでいるのです。

前提として、LGBTQは医学的な疾患名ではなく、医学的治療の対象ではありません。ただし、世間の無理解や偏見から精神的苦痛を感じているケースや、医療機関に相談しづらく適切な治療につながらず困ってしまうケースもあります。また、一部のトランスジェンダーに関しては、治療の対象になることもあります。

●性を構成する要素

人間の性はさまざまな要素から構成され、おもなものには次のような要素があります。

【生物学的性別（セックス）】

・遺伝子や染色体

・性器の形態（内外性器）

・性ホルモン

【性自認】

・心の性、自分の性別をどのように認識しているか

【性的指向】

・好きになる性別

【指定された性別】

・出生時に戸籍に記載される性別

【性役割】

・男性、女性としての役割

【性別表現】

・服装や髪型などの性別の表現

これらの要素は人によっていろいろな場合があります。典型的な男性、女性のたった2つに分類することが難しい、多様な性のあり方があることがわかるかと思います。

●セクシュアリティはさらに多様

個々人のセクシュアリティ（人間の性のあり方）はさらに多様で、LGBTQだけでくくることはできません。次のような人たちもいます。

・Xジェンダー：自分の性を男女いずれかに限定しない人、はっきりと自分の性がわからない人

・Aロマンティック／アロマンティック：他者に恋愛的興味関心、恋愛感情を感じない人

・Aセクシャル／アセクシャル：他者に性的興味関心、性的欲求を抱かない人

・パンセクシャル：全性愛。あらゆる性自認の人が恋愛対象になる人。性的指向が性別にとらわれない人

近年「SOGI」という言葉も使われるようになっています。これは「Sexual Orientation and Gender Identity」の略で「性的指向と性自認」を意味します。LGBTに限らず、すべての人のSOGIを、すなわちすべての人のセクシャリティを尊重しようというような文脈で使われることが多く、今後耳にする機会も増えていくことでしょう。

●性について悩んだときは

LGBTQの中でトランスジェンダーは、心理的苦痛が強い場合や、身体的治療を望む場合には「性別不合」や「性別違和」と呼ばれ、医学的ケアの対象となります。自身の性別に違和感や疑問を覚えたとき、また家族にそのような様子があったときは、ファーストステップとしてGID（性同一性障害）学会が認定する医師に相談を。GID学会サイトにて、認定医の一覧を確認することができます。

医師とのカウンセリングのもと、精神的サポートや、家族、職場、学校にカミングアウトする場合の支援なども行われます。また、トランスジェンダーの方でホルモン療法や手術を希望される場合は、その支援や治療を行うことも可能です。

大切なことは、本人にとって一番生きやすい方法を見つけていくことであり、身体的治療がゴールではありません。セクシュアリティは一人ひとりそれぞれ違うものであり、そして尊重されるべきものです。自分自身のセクシュアリティを大切に、明日が少しでも過ごしやすくなるよう、悩んだときはまず相談しましょう。