Question

休職していた同僚への接し方

休職していた同僚が3カ月ぶりに復帰しました。休職の理由は知らされていませんが、休職前の同僚の様子から、おそらくメンタル疾患だったのではないかと思っています。上司からは仕事のサポート内容の指示はあったものの、疾患名や病状については知らされておらず、それとなく聞いても「プライベートなことなので」と、教えてくれません。メンタル疾患だった場合、接し方にも配慮が必要と思っているのですが、現状だとどのように接したらよいのかわからず戸惑っています。かといって、個人の病気というデリケートなことをしつこく聞くのもためらわれ、対応に困っています。

男性/30代

2021/12/21

Answer

同僚の方が復帰されて、ひとまずよかったですね。しかし、休職前の様子などを思い起こすと、「本当に大丈夫なのか」と心配になるお気持ちもわかります。社員が休職することは、休職する当のご本人だけではなく、周囲の方々にも大きな影響を与える出来事なのです。


「復職した」ということは、就労可という主治医の診断を経て、会社によっては、社内の産業医面談や人事面談等、復職の手続きを経ている状況ですので、「仕事ができる状態まで回復している」という専門家や会社の判断は得ている状態です。つまり、休職直前の状態よりは、体調やお気持ちの状態は回復しているということになります。


しかし、それは「健康な人と同等にバリバリ仕事ができる」という状態まではいかないことが多いです。自宅で療養していたときとは環境や生活のリズムが変わりますし、最初は緊張や不安もあります。療養モードから仕事モードに切り替わるには、ある一定期間“慣らし”の期間が必要です。その期間を「リハビリ出勤」などとして、復職の手続きとして明確に位置づけている会社もあれば、「最初は業務を軽減して、様子を見ながら元へ戻していきましょう」と現場の管理職判断で配慮をしている会社もあります。


今回のケースの場合は、おそらく後者のようですね。そして、上司から仕事のサポートの指示を受けているものの、それ以上の詳細は知らされていない、ということですね。疾患名や症状はプライバシーに当たることなので、本人の同意なしで上司が明かすことはできない、ということなのでしょう。上司がご本人の同意を得て、あえて病名などを周囲の人に伝える場合もありますが、今回の場合は、上司はその必要性を感じていない、もしくはご本人の同意が得られなかった、ということだと推測されます。


では、当のご本人に直接聞いてみる、ということはできそうでしょうか。ご本人の性格や考え方がオープンでご自身から進んで話してくれる場合、あるいはこれまで親密な付き合いをしていた等の関係性次第では、「大変そうだったけど、もう大丈夫?」「何か力になれることはありますか?」等、フランクに問いかけをすることも有効でしょう。ただ、通常の「職場の同僚同士」という関係性では、踏み込みすぎてしまう可能性がありますので、慎重に考える必要があります。


このように、メンタル疾患を持つ方に特別な接し方をするということは、会社内の人間関係の中では通常「しない」「できない」ということになります。言うまでもなく、会社は仕事をするところであって、ご本人の治療をする場ではありません。メンタル疾患として特別な配慮が必要な状態であれば、その旨、上司から指示が出るはずですが、それがないのであれば通常の配慮で構いません。例えば、身体の病気などでも、回復期に無理は禁物だと思います。また、いつもは健康でも、風邪をひいたり熱が出たりしている場合もあると思います。そういう方が周りにいたときに、どう接するでしょうか。いつも通りに見えれば普通に接し、疲れているように見えれば「大丈夫ですか。顔色が悪いみたいですよ」「少し休んだ方がいいのでは?」等、声をかけるのではないでしょうか。つまり、ふだん、自然に行っている配慮や気遣いができればよいということです。そして、仕事に支障が出るほどの事態が生じれば、上司に報告と相談をして、指示を仰いではいかがでしょうか。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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