処方された薬が本当に自分に合っているのか
先日、近所の精神科を受診したところ不安神経症と診断され、薬を処方されました。1週間ほど飲み続けていますが、あまり効果を感じることができず、不安感も解消されません。これは薬が自分に合っていないということなのでしょうか。先生にも「気長に治療するつもりで」と言われていますが、長い間悩んだ末の受診だったので、薬で早くよくなることを期待していただけに、治療に少し後ろ向きになってきています。
男性/40代
2021/12/21
長い間、受診するかどうか悩んでいらしたのですね。多くの方にとって、精神科に通院することや薬を飲むことは、少なからず抵抗のあることだと思います。それを乗り越えて今回あなたがご決断されたのには、余程つらい経験があってのことでしょう。だからこそ、悩み、苦しみ続けた状況から抜け出し、症状に振り回されない生活を手に入れたい、という強い気持ちを持たれたのではないでしょうか。
薬ですぐによくなることを期待していたのに、薬の効果があまり実感できなかったのであれば、がっかりしてしまいますよね。「このまま治療を続けて、よくなるのだろうか」などと不安になられたかもしれません。そのお気持ちはとてもよくわかります。ですが、そのような考え自体が、不安神経症の症状の現れである可能性もあります。先生の「気長に治療するつもりで」という言葉には、「症状に一喜一憂せず、おおらかな気持ちで過ごすことが、あなたの治療ではとても大切なことですよ」というメッセージが込められているように感じました。
まずは、あなたの不安な気持ちを、正直に主治医に伝えてみてください。主治医にとっては、それがあなたの状態を理解したり、薬の効果を判断したりするための重要な情報となるはずです。一般的に、初めて薬を処方する際には、少ない量から開始します。その後、徐々に標準的な量まで増やし、もし十分な効果を感じられなければ、さらに量を増やすとか、薬を変えるといった調整をしていきます。ですので、服薬1週間では、その薬があなたに合っているかどうかを判断するのはむずかしいといえるでしょう。また、薬によっては効果が出るまでに2~4週間ほどかかるものもありますので、この場合は途中でやめてしまっては、薬の効果を判断できなくなります。あなたに効く薬や最適な治療方針を決めていくのには、最低でも4~5回ほどの診察を要するということを、目安として考えておかれるとよいと思います。
通院1週間とのことですので、よほどの理由がないのであれば、今通院をやめてしまうのはあなたにとってあまりメリットがないように思われます。薬をやめてもつらい状況は続くでしょうし、病院を変えても同じプロセスの繰り返しになってしまいます。自身の不安な気持ちをコントロールしていくのは大変なことだと思いますが、今はあなたは一人ではありません。あなたの問題を一緒に解決しようとしてくれる主治医やスタッフがいるのです。せっかく大きな一歩を踏み出したのですから、主治医とよく相談しながら、まずは1カ月、通院を続けてみてはいかがでしょうか。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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