うつ病で療養中の妻、服薬管理をどうすれば
妻がうつ病の療養中で、服薬による治療を受けています。症状としては重症ではありませんが、日によって気分に波があり、治療に前向きな日もあれば何もする気が起きない日もあり、そういうときには薬の服用を忘れてしまうことがあるようです。薬の時間にアラームを設定したり、気づいたときはメールをしたりしますが、私も仕事が忙しく、帰宅も遅いため、平日はなかなか妻の服薬管理ができません。妻にきちんと薬をのんでもらうよい方法はありますか?
男性/40代
2021/12/21
奥様がうつ病になられ、家族として何とか力になりたい、治療に協力したいというあなたの家族思いな気持ちが伝わってきます。しかしながら、あなたもご自身のやるべきことがあるため、なかなか思い通りにはいかない歯がゆさを感じているのではありませんか。うつ病では服薬も治療の重要な柱のひとつなので、それがうまくできていないとなると不安になってしまいますよね。
じつは、薬を毎日定期的に服用することは、思っている以上にむずかしいことです。時計のアラームをかけていても何か他のことをしているとつい後回しになってしまい、そのまま忘れてしまったり、何もする気が起きないときにも忘れてしまったりすることがあるかと思います。
まず、薬についてですが、例えば解熱剤であれば、体温を測れば薬の効果を実感できますが、それに比べ、抗うつ薬は効いているのかどうか客観的な指標がありません。そのため、ついつい薬の重要性を忘れがちになってしまいます。まず、抗うつ薬が治療に重要なものということを再認識してもらうためにも、初めて薬をのみ始めた当時の状態と、抗うつ薬をのみ続けてきた今の状態を比べてみてください。きっと服薬を始めたときに比べ、体調がよくなっているのではないかと思います。このようなやり取りを通して、服薬が治療のために重要なものと改めて認識してもらえるとよいですね。
次に、服薬についてですが、ピルケースの利用をおすすめします。もし、朝・昼・晩と1日3回の服薬であれば、その1週間分のピルケース(縦3×横7)を用意してもらいます。ピルケースに薬をすべて入れて、アラームが鳴ったら何をしていても手を止めて服薬してもらいます。後回しにすることは飲み忘れにつながります。必ずアラーム時に服薬してもらってください。あとは、薬のことが気になったときにピルケースを確認して、のみ忘れをしていないか確認していただければと思います。ピルケースを日常の中で見えるところに置いておくと、服薬のことを忘れにくくなるので、その方法もよいかもしれません。
また、抗うつ薬はのむ時間よりも、1日にどれくらいの分量の薬を飲んだかということのほうが重要とも考えられています。服薬の回数を分けるのは、一度にのんで副作用が強く出てしまうことを防ぐためなのですが、副作用は出る人と出ない人がいます。ですから、どうしても飲み忘れてしまう場合は、服薬を忘れてしまう現状を主治医に伝えたうえで、服薬回数やタイミングについて相談してみるのもひとつの方法です。この場合は服薬回数を減らした分、一度の飲み忘れが大きく影響を与えることになるので、あなたと一緒に服薬を確認できる時間帯に合わせたほうがよいかと思います。
皆それぞれに生活リズムがあります。あなたと奥様にとって、よりよい方法を選んでいただき、処方どおりの服薬がうまくできるようになることを願っております。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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